小山・ミカタパートナーズ/税理士コラム

忙しいので誰かに頼みたい!不動産の確定申告を代理してくれるのは誰?

2017年8月11日

サラリーマンが投資用の不動産物件を購入して家賃収入を得ている場合、必ず確定申告が必要になります。

主となる収入である給与は、月々の源泉徴収と年末調整によって適切に所得税が課税・徴収されており、家賃収入については自分で確定申告して所得税を納める必要があることは、もう説明は不要でしょう。

さて、ただでさえ身を粉にして働く忙しいサラリーマン生活。

不動産による収入がある方は「確定申告の準備をする時間もない!」と感じることでしょう。

また、相続などによって図らずも不動産を所有することになった方は「これまでに確定申告をしたことがなかったので、何から手をつければいいのかも分からない」という事態に陥ります。

そんな方のために、今回は、不動産の確定申告を代理してくれる先について紹介していきましょう。

1 大前提は「本人または税理士のみ」

まず大前提となる基本を頭に入れておきましょう。

確定申告にかかわらず、税金に関する手続きなどに関しては本人にしか権限がありません。

そして、税務代行、税務書類の作成、税務相談については税理士のみの無償独占業務であると定められています。

つまり、確定申告についても「本人または税理士のみ」しか行うことができません。

無償独占業務とは、有償・無償を問わず有資格者しか取り扱ってはいけない、という業務を指します。

例えば、税務に詳しいからといって知人などに確定申告書の作成などを代行してもらえば、代行した人が税理士法違反で罪に問われることになります。

ここまでの説明で十分理解して頂けたと思いますが、確定申告の代理をお願いできる先は税理士のみです。

たとえ税務に詳しい人であっても、税理士の資格がなければ他人の税務に関する代理を務めることはできません。

過去には、企業に関与していた社会保険労務士が確定申告の代理を務めたとして逮捕された事例もあります。

いくら税務に詳しくても税理士の無償独占を犯すと犯罪になる、という代表的な事例でしょう。

サラリーマン投資家や物件を相続して家賃収入を得たサラリーマンの方は、自分自身で確定申告ができないと判断した場合には、早めに税理士事務所を訪ねることをオススメします。

2 配偶者による代筆や代理提出も税理士法違反になる?

確定申告は本人または税理士のみが行える、というと

・e-Taxを使って自宅でオンライン申告をする際に、妻がパソコンに詳しいので入力などをしてもらった

・確定申告の時期に仕事が詰まっていて税務署に出向くヒマがなかったので、確定申告書や資料などを同居の親族に提出してもらった

などというケースも違法になるのか?と気になりますよね。

結論からいうと、配偶者や親族関係者が代筆や提出をすることに違法性はありません。

先ほど税理士の無償独占業務として挙げた『税務代行』とは、本人の意思や指導の下によって作成・提出された場合は該当しません。

例示すると、

・確定申告書を作成するにあたって、手を負傷していたので妻に代筆を頼んだ

・パソコンの操作に詳しくないので、指示を加えながら入力作業を息子に手伝ってもらった

・自分で確定申告書や資料をまとめたうえで、税務署への提出だけを妻に依頼した

などのケースは、単に作業を手伝ったに過ぎず、税務を代行したとまでは言えません。

特にサラリーマン投資家などは、確定申告の準備などを全て自分一人でやってしまう時間もない方が多いでしょう。

「納税者本人の意思・指導の下で」という条件さえクリアすれば、単なる作業の手伝い程度は税務代行に該当しないので、ご安心ください。

ただし、確定申告書を提出する際の代理は、できる限り説明が果たせる間柄までの方にしましょう。

配偶者や同居の親族などであれば税務署への説明も容易ですが、友人・知人などでは「なぜこの人が代理で提出するのか?」について税務署側が疑問を持ちます。

どうしても家族などに依頼できない場合は、e-Taxによる電子申告や郵送による確定申告書の提出を利用するべきでしょう。

3 まとめ

今回は不動産の確定申告を代理してくれる先について紹介しました。

大前提として、税理士法により確定申告は納税者本人または代理の税理士しかおこなうことはできません。

ただし、確定申告書の代筆や税務署への提出のみなど、単なる作業程度の代行であれば、税理士法で定められた『税務代行』とはみなされないので、誰でも代行することができます。

適正な申告のためには税理士に依頼するのがベストですが、単に「提出に行くヒマがない」という程度であれば報酬を払ってまで税理士に依頼する必要はないでしょう。