災害に遭ってしまった方のミカタ:雑損控除で払う所得税が減る!

自営業の方や一部のサラリーマンなどの方は毎年2月15日頃から3月15日頃にかけて、前年に発生した所得について確定申告を行わなくてはなりません。

その際、収入から様々な控除を差し引いて課税所得を計算しますが、その控除の1つに雑損控除があります。

以下では雑損控除について解説します。

雑損控除とは

ちなみに、所得から差し引く控除のことを所得控除といいます。

雑損控除の対象

雑損控除が適用されるのは、災害、盗難、綱領によって住宅や家財など生活関連資産が損害を受けた場合に限ります。

生活に通常必要でない資産(書画、骨董、貴金属、別荘)が災害等で被害を受けた場合には、雑損控除の対象にはなりません。

雑損控除の計算方法

雑損控除の金額の計算方法は、まず、災害等による損害金額を算定します。

この被害額から、保険金などで補てんされる金額を差し引きます。

この金額を(A)とします。

次に、事業、不動産、利子、配当、給与、雑、総合譲渡、一時の各所得(総合課税所得)の合計額と、退職所得と山林所得の合計額を出し、それに0.1を乗じます。

(総合課税所得+退職所得+山林所得)に0.1を乗じた金額を(B)とします。

そして、(A)から(B)を引きます。

この金額を(C)とします。

なお、(C)がマイナスの場合には0円とします。

また、災害等により受けた損害金額のうち、災害等に関連して住宅家財等の取り壊し又は除去のために支出したお金のことを災害関連支出といいます。

その災害関連支出があれば、その金額を算定し、その算定額から50,000円を引いた金額を(D)とします。

雑損控除の金額は、上記の(C)と(D)を比較して、どちらか高い方の金額となります。

災害関連支出の繰越等について

上記の災害関連支出のうち、災害により生じた土砂を除去するため等の支出については、災害のやんだ日から1年以内に支出したものであれば、雑損控除の対象となります。

災害減免法による所得税の減免について

雑損控除以外にも、災害時に所得税が控除される制度があります。

それは、災害減免法にようる所得税の減免です。

損害金額が財産の1/2以上である場合には、所得税額の全額、1/2、1/4のいずれかの金額の減税を受けることができる制度です。

雑損控除と災害減免法のどちらかしか適用できない!

雑損控除と災害減免法のどちらかしか適用できません。

両方の要件に該当する場合には、どちらか一方の選択適用となりますので、注意が必要です。

雑損控除を受けるための手続きについて

雑損控除を受けるための手続きは、まず、災害に関連した支出の領収証を集めます。

次に、税務署で出している確定申告の手引きに従って、雑損控除額を計算します。

計算した雑損控除の金額を確定申告書の雑損控除欄に記載し、災害のために支出した費用の領収証を申告書に添付します。

雑損控除を受けるための手続きはこれだけで、他に特別な手続きは必要ありません。