物品購入後は必ず記載!固定資産台帳
これまでに経理の仕事に携わっていない限り馴染みのないのが『固定資産台帳』です。
固定資産台帳は事業者の会計処理や税務処理、資産管理には絶対に必要なものので、正しく、漏れなく記載して作成しましょう。
今回は、新しく事業を始めた方でも分かりやすいように固定資産台帳のキホンを紹介します。
1 固定資産台帳はなぜ必要か?
まずは固定資産台帳とは何か?を説明しましょう。
固定資産台帳とは、事業者が所有する固定資産を記録するものです。
『固定資産』というと、不動産などを想像するかも知れませんが、ここでいう固定資産とは主に「10万円以上で購入し、長期にわたって事業に使用する資産」を指します。
カンタンに仕分けると、文房具などの消耗品ではない物品は全て固定資産になるということです。
固定資産台帳は会計処理、税務処理、資産管理を目的として作成します。
まず会計処理では、各資産の計上額や減価償却費などを詳細に記載することで、賃借対照表などでは表せない内訳を明確にする役割があります。
税務処理では、減価償却費の根拠となる役割を担っています。
税務調査では必ず税額を算出した根拠を調べるために固定資産台帳の提出が求められます。
資産管理では、その資産が実際にあるのか、紛失や盗難に遭っていないかなどを管理する役割を果たします。
年に一度は固定資産台帳をもとに現物の確認を実施するのが理想的です。
2 固定資産台帳に記載しておきたい項目
固定資産台帳は備え付けが義務化されているものではないので、特段の一定様式などはありませんが「これは絶対に記載しておきたい」という項目を紹介しておきましょう。
1 番号
固定資産に一連の管理番号を付与することで管理しやすくします。
2 資産区分
建物・機械などの区分を記載しておきます。
3 名称
固定資産の名称を記載します。
名称には型式やシリアルナンバー、色なども記載しておき、管理シールなどを貼付すると良いでしょう。
4 耐用年数
税方で定められた耐用年数を記載します。
5 償却方法
減価償却費を計算する方法(定額法・定率法など)を記載します。
併せて償却率なども記載すると良いでしょう。
④と⑤が、税務計算のうえで最も重要な項目です。
6 設置場所・管理部署
設置場所や管理部署を記載することで、確認が容易になります。
7 個数
同じものを複数個購入した場合には個数の記載が必要です。
管理番号は枝番号をきさいが記載すると良いでしょう。
8 取得年月日
取得年月日を起算日として減価償却費が発生します。
9 取得金額・期首簿価・減価償却累計額・期末簿価
減価償却費の計算や、記録時点での累計などを把握するために必要です。
10 当期減価償却費・特別償却費
当期の減価償却費と特別償却費の合計が、賃借対照表や損益計算書に記載している金額と合致している必要があります。
3 まとめ
今回は固定資産台帳のキホンを紹介しました。
先ほどもお話ししましたが、固定資産台帳には一定の様式などはありません。
それぞれの事業において管理上必要とする項目は異なるので、減価償却に関わる基本的な部分を欠かさずに色々な工夫をすると良いでしょう。