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2020.02.20

適正な不動産の価値を示す『不動産鑑定評価書』とは?

適正な不動産の価値を示す『不動産鑑定評価書』とは?

これまでに不動産の購入・売却をしたことがある方でもあまり耳馴染みがないかもしれないのが『不動産鑑定評価書』です。

節税の書籍やサイトなどを見ているとよく登場する不動産鑑定評価書ですが、一体、不動産鑑定評価書とは何なのでしょうか?

今回は、みなさんにとってあまり耳馴染みがない、しかし節税を考える際には大活躍をしてくれる不動産鑑定評価書について紹介しましょう。

1 不動産鑑定評価書とは?

不動産鑑定評価書とは、対象となる不動産の適正な価格を表す書類です。

そもそも、市場に出回っている不動産の価格は、

1 路線価によって算出する

2 固定資産税評価額によって算出する

という2つの方法によって決まります。

路線価とは道路に対する価格で、国税庁が発表しています。

土地の全面にあたる路線価に0.8を乗じると実際の販売価格になります。

もう一方の固定資産税評価額とは3年に一度の評価がおこなわれ、土地の場合は路線価、建物の場合は評価時点で同じ建物を再建築した場合にいくらで建築できるのかと建築後の年数による補正によって算出します。

このように説明するとお分かりだとは思いますが、路線価によっても、固定資産税評価額によっても、不動産の価格は「帳面上のデータ」によって決められると言っても過言ではありません。

ところが、不動産というのは「全く同じものはない」と言われているくらい、個別の特性が強いものです。

例えば同じ前面道路に接していて、全く同じ面積の土地が2つあったとしましょう。

先ほどの説明であれば、この2つの土地の価値は全く同じになるはずです。

ところが、一方だけは敷地の上空に高圧線が通っているとすれば、実際に購入しようとする際にはそちらを避けてしまいますよね。

このように、不動産には個別のマイナス要素が存在するのに、帳面上は同じ価値いになっているというのは、相続など税金のことを考える際には不公平が生じます。

そこで、個別の不動産の条件などを実際に鑑定し、適正な評価額を表してくれるのが不動産鑑定評価書なのです。

不動産鑑定評価書は、国家資格である不動産鑑定士のみが作成できる書類です。

国土交通省が定めた不動産鑑定評価基準に基づき、公正・公平な評価によって評価額を決定するため、公的にも強い証明力を持った書類となります。

2 節税の強い味方となる不動産鑑定評価書

さて、不動産鑑定評価書とはどのようなものかを理解して頂いたところで、不動産鑑定評価書はどのような場面で活躍するのかを見てみましょう。

不動産鑑定評価書が活躍する最もポピュラーな場面は『相続』です。

不動産の相続税は、その不動産にどれくらいの価値があるのかによって上下しますが、先に登場したように全く同じような条件でも一方にはマイナス要素がある、などという場合には「実際には帳面上の価値よりも価値が低い」と主張することで相続税を抑えることができます。

実際の不動産の条件にもよりますが、不動産鑑定評価書を用いることで相続税が30%以上減額されたという例も珍しくないので、相続の際に不動産の価値が高すぎると感じる場合には不動産鑑定士に相談すると良いでしょう。

節税に威力を発揮するばかりが不動産鑑定評価書の意義ではありません。

金融機関が融資する際の担保として不動産を設定する場合には、融資額に対する担保として適切な価値があるのかを評価するために不動産鑑定評価書が利用されることがあります。

法人が財産として所有している不動産についても、実際の資産価値を明らかにするために不動産鑑定評価書が用いられることもあります。

色々な用途がありますが、つまり不動産鑑定評価書は「不動産の本当の価値を見定めるもの」と認識しておけば間違いないでしょう。

3 まとめ

不動産鑑定評価書について紹介しましたが、どのような書類なのかはご理解頂けたでしょう。

最後にポイントだけおさらいしておきましょう。

・不動産鑑定評価書は、国家資格である不動産鑑定士が作成する

・不動産鑑定評価書は不動産の価値を個別の条件などを加味して決定するものであり、路線価や固定資産税評価額などによってのみ決定される税額を実際の価値に修正する効力がある

・金融機関による融資の担保として、法人の資産としてなど、不動産の実際の価値を算出するためにも用いられる

一般的には不動産鑑定評価書を利用する機会は相続が主だとは思われますが、知ると知らないとでは大きな差が生じるものです。

ご自身に相続の機会が訪れる際には、ぜひ不動産鑑定評価書を利用して節税につなげて頂きたいですね。

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