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2020.02.19

ゴルフの会員権を売却した…確定申告は?

ゴルフの会員権を売却した…確定申告は?

日頃からゴルフをプレーしている愛好家なら耳馴染みのある『ゴルフ会員権』。

スポーツクラブなどの会員制度とは異なり、譲渡・売却ができるという点においてゴルフ会員権は『財産』とみなされる性格を帯びています。

さて、このゴルフ会員権ですが、自然とプレー回数が減ってきたり、投資的に所有していたが手放したいなどの理由で売却する方も多いでしょう。

では、ゴルフ会員権を売却した場合、確定申告ではどのように取り扱うべきなのでしょうか?

今回は「ゴルフ会員権を売却した際の確定申告での取扱い」について紹介していきます。

1 ゴルフ会員権ってなに?

まず「ゴルフ会員権って聞いたことはあるけど何なの?」という方もいるかも知れないので、ゴルフ会員権についてカンタンに説明しておきましょう。

ゴルフ会員権とは、各ゴルフ場における会員制度です。

単に会員制度というとスポーツクラブやフィットネスクラブのような施設の会員制度をイメージするかも知れませんが、ゴルフ会員権は基本的には一定数しか発行しておらず無制限に募集をするものではありません。

また、一般的な会員制度は登録した会員のみに権利が発生し、権利の譲渡・売却などはできませんが、ゴルフ会員権は権利の譲渡・売却が可能で、新たに会員になる際には名義変更によって権利を取得することになります。

会員権の価格もスポーツクラブなどの会員制度とは比較にならないほど高額になるものが多く、都心からアクセスの良いゴルフ場などでは会員権の価格だけで数百万円単位になることも珍しくありません。

ゴルフ会員権を購入すると、ゴルフ場のプレー料金が割安になる、1人でも気兼ねなくコースに出ることができる、休日などの混み合う日でも会員用の枠が確保されているため予約なしでプレーできる、会員限定の競技会に参加できるなど、ゴルフ愛好家にとって大きなメリットがたくさんあります。

一方で、人気のゴルフ場のゴルフ会員権が高値で取引されることに着目し、ゴルフ愛好家でない人が投資的な目的でゴルフ会員権を購入し、さらに高値で売却していたため、価格高騰化が生じてしまったという現実もあります。

ゴルフ愛好家ではない人にとっては、報道などの取り上げ方が贈収賄や詐欺などの事件絡みが多かったり、バブリーなイメージが強かったため、あまり良いイメージを抱いていないかも知れませんね。

2 ゴルフ会員権の売却、確定申告の取扱い

ゴルフ会員権を第三者に売却した場合、その売却益は『譲渡所得』として取扱うことになります。

譲渡所得は、主に不動産を売却した場合に登場する所得種別ですね。

モノを売却して利益が生じた場合は儲けた分だけ税金を払いなさい、というための所得種別なわけです。

さて、ゴルフ会員権を売却した場合の譲渡所得の計算方法ですが、譲渡所得は「譲渡による収入額−(取得費用+譲渡費用)−特別控除50万円」によって算出されます。

例えば、あるゴルフ場のゴルフ会員権を、ゴルフ会員権自体の価格や名義書換の手数料など諸々で100万円で購入したとします。

これを購入時よりも高い200万円で売却できました。

売却の際には仲介業者を挟んでおり、仲介業者の手数料は10万円でした。

この場合の譲渡所得は「収入額200万円−(取得費用100万円+譲渡費用10万円)−特別控除50万円=40万円」となります。

さらに譲渡所得には『短期譲渡所得』と『長期譲渡所得』があります。

短期とは所有期間が5年以下、長期とは所有期間5年超を指し、長期譲渡所得の場合はさらに課税所得が2分の1になります。

つまり、先ほどのゴルフ会員権が5年を超えて所有していたものの場合は、40万円の2分の1ですから20万円が課税対象の譲渡所得となります。

譲渡所得は総合課税として扱われるため、ほかの総合課税の所得と合算して確定申告をすることになります。

ここで注意が必要なのが総合課税のメリットである『損益通算』です。

平成26年3月まではゴルフ会員権の売却によって損失が生じた場合、総合課税のほかの所得、つまりほかの収入の黒字部分から損失を差し引くことが可能でした。

ところが、平成26年4月1日付の法改正によって、同日以後のゴルフ会員権の売却損に関しては、

・譲渡所得にのみ売却損を差し引くことができる

・法人のみは所得種別を超えて売却損を差し引くことができる

という変更がありました。

つまり、個人的に所有していたゴルフ会員権を売却して売却損が生じた場合、例えば不動産所得などの黒字部分から差し引くことはできなくなったわけです。

ただし、同じ所得種別のみでは売却損を差し引くことができるので、例えば複数のゴルフ会員権を同じ年内に売却して一方では売却益が、もう一方では売却損が生じた場合には、売却益から売却損を差し引いて所得を算出することができます。

3 まとめ

今回はゴルフ会員権の売却による収入の確定申告上の取扱いについて紹介しました。

重要なポイントだけをおさらいしておきましょう。

・ゴルフ会員権の売却による利益は『譲渡所得』として確定申告する必要がある

・ゴルフ会員権の譲渡所得は「譲渡による収入額−(取得費用+譲渡費用)−特別控除50万円」によって算出され、さらに所有期間が5年を超える場合は課税所得が2分の1になる

・平成26年4月1日以後の売却によって生じた売却損は、譲渡所得の中でのみほかの売却益から差し引くことが可能

特に損益通算に関する考え方が変わったのは比較的新しい法改正によるものなので、最近ゴルフ会員権を売却したという方は取扱いに間違いがないようにご注意ください。

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