過大申告について:過大申告の概要から罰則まで
過大申告とは、本来の納税額よりも多い納税額を確定申告の際に申告することをいいます。
この過大申告は、単純な計算ミスによって生じる場合もありますが、株価の低下をおそれた株式会社が行う粉飾決算の結果生じる場合もあります。
以下では、この過大申告について解説します。
過大申告とは
過大申告とは、確定申告より申告・納税した税額が、本来の税額よりも過大であることをいいます。
仮装経理によって故意に過大申告をした場合でなければ、更正の請求を行うことで、払いすぎた税金を取り戻すことができます。
ただし、更正の請求は5年しかすることはできません。
過少申告について
過大申告の反対として過少申告があります。
過少申告とは、過大申告の反対に申告税額を誤って少なく申告してしまうことです。
申告後に税務署から過少分の税金の支払いを命じられた場合には、延滞税の支払いを求められる等の罰金の適用があります。
過大申告には罰則がない
一方、過大申告の場合には、その罰則はありません。
更正の請求を審査した税務署が請求者の税金の過払いを認めた場合には、過大納付分の税額について、罰金を科されることなく、還付を受けることが可能です。
故意による過大申告について
申告所得をわざと過少に申告して、納税額を少なくするという行動は脱税行為として容易に理解できます。
しかし、申告所得をわざと過大に申告して、税金をより多く支払いという行動は、あまりよく理解できませんが、実際には行われています。
どうして故意で過大申告するのか?
例えば、株主が株を売却して株価が低下するのを防止するために、赤字であるのを隠して故意に黒字決算とするために、財務諸表を偽装した結果、申告額が過大になるというケースがございます。
このような故意による過大申告が税務署に発見されたとしても、罰則を受けることはありません。
しかし、故意による過大申告の場合には、更正の請求を行っても払いすぎた税金は直ちに還付されません。