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2019.12.11

女性1人で頑張る支えに、『寡婦控除』の要件

女性1人で頑張る支えに、『寡婦控除』の要件

昨今、夫婦の3組に1組が離婚していると言われている我が国では、離婚して1人で子どもを育てている女性も珍しくはありません。

また、不慮の事故などで夫と死別してしまった女性もいるでしょう。

このように、女性が自分一人の収入だけで生活をしていくことを手助けする制度が『寡婦控除』です。

今回は寡婦控除を受けるために必要な要件を紹介しましょう。

1 寡婦控除とは?

まずは寡婦控除の概要を説明します。

『寡婦(かふ)』とは、夫を失って独身の女性のことを指す言葉です。

日常生活ではあまり使われることはなく、主に法律の条文などで使われる言葉ですね。

夫を失って独身ですから、離婚でも、死別でも、夫がいない状態では寡婦になります。

寡婦になると、それまでの夫の収入をあてにできなくなってしまうのですから、安定した生活は送れなくなってしまいます。

そこで、寡婦に対して税制上の優遇措置がとられているのが寡婦控除です。

寡婦控除の要件を満たしている場合は、所得税と住民税の控除が受けられます。

2 寡婦控除の要件

寡婦控除を受けるためには要件があり、その年の12月31日時点の現況が下記の各要件のいずれかを満たしている必要があります。

1 夫が死亡または夫と離婚して、その後結婚しておらず、扶養親族または生計を一つにする子ども(総所得38万円以下)がいること

2 夫が死亡または夫と離婚して、その後結婚しておらず、合計所得金額が500万円以下であること

さらに、寡婦控除の要件①と②の両方を満たしている場合は『特定寡婦』に該当します。

上記の①か②の要件を満たしている場合、所得税27万円、住民税26万円の所得控除が受けられます。

さらに、①と②の要件を両方満たして特定寡婦控除の対象となった場合、所得税35万円、住民税30万円の控除が受けられます。

3 男性の場合は『寡夫控除』

離婚や死別によって不利益を受けるのは何も女性だけではありません。

男性でも、共働きの妻がいなくなれば収入が減って家計が苦しくなるし、自分一人の収入だけで子どもを養っていくのも大変です。

そこで、女性に対する寡婦控除があるように、男性に『寡夫控除』という制度があります。

ただし、男性に対する寡夫控除は、女性に対する寡婦控除よりも条件が厳しくなっています。

寡夫控除は、寡婦控除と同じ条件で①と②の両方を満たしていないと控除が受けられません。

つまり寡婦控除制度でいうところの特定寡婦の要件を満たす必要があるわけですが、寡夫控除の場合は増額がなく27万円の控除しかありません。

死別の場合は致し方ないかもしれませんが、離婚の場合に子どもの親権を得ている男性は女性と比較すると少ないため、寡夫控除に該当する男性は女性に比べると稀でしょう。

4 まとめ

今回は寡婦控除の概要や要件を紹介しました。

寡婦控除は「夫が死亡または離婚して、その後結婚していない場合」に所得税や住民税の控除が受けられる制度です。

ただでさえこれからの生活に不安が大きい独身となった女性にとっては頼もしい公的扶助となっています。

概ね、いわゆるシングルマザーになった方は特定寡婦の要件を満たしているはずなので、これまでに申告をしていなかった方もぜひ制度を活用すると良いでしょう。

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