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2020.02.21

海外FX初心者のための確定申告ガイド

海外FX初心者のための確定申告ガイド

インターネットや雑誌の記事などでFXを活用して年収1,000万円を超える主婦や学生などがよく紹介されています。

投資などに大した興味や知識がない方の間でも大流行のFXですが、最近では国内のFXよりも高い利益が期待できる『海外FX』に人気が集まっています。

気軽に投資に参加できるFXが社会に浸透してきた一方で、利益を所得として申告する必要があることを知らず申告漏れを引き起こしたり、所得の計算方法を誤って誤申告が相次いでいます。

今回は、海外FX初心者の方にはぜひ知っておいてもらいたい、海外FXの確定申告を紹介しましょう。

特にこれから海外FXを始めてみようと思っている方は基礎知識だと思ってしっかり勉強してください。

1 海外FXってなに?

まずは「そもそも海外FXってなんだ?」という方のためにカンタンに説明しておきましょう。

まず『FX』とは外国為替証拠金取引の略称です。

例えば、1ドル100円の時に1万ドルを購入したとします。

この1万ドルを為替相場が変動し1ドル101円の時に売却すると、1ドルにつき1円、つまり1万ドルで1万円の利益が生じることになります。

FXにおける利益の原理はこの為替変動の差益を得ることにありますが、例示のとおりであれば1万円の利益を生むために日本円で100万円が必要になります。ここがFX人気の秘密。

FXには『レバレッジ』という言葉が登場します。

レバレッジとは日本語に直訳すると『テコ』のこと。

FXでは取引会社ごとにレバレッジという倍率が設定でき、投資金額の最大25倍までの外為取引が可能です。

例えば最大25倍のレバレッジが設定可能な取引会社を通じて4,000円分の外国為替を取引した場合、4,000円?25倍=10万円の取引が可能になります。

少資金で大きな利益を生むことができるのがFXの最大の魅力なのですが、問題は平成22年に施行された国内のレバレッジ規制。

それまでは100倍以上が当然で多額の利益を生んでいた国内のFXですが、投資家保護を目的としたレバレッジ規制により、ハイリターンが魅力だったFXの魅力は激減したといえます。

そこで注目されたのが海外FX。

日本の金融庁に登録されていない海外の会社を通じてFX取引をすれば、国内のレバレッジ規制を受けることなく取引が可能になります。

海外のFX会社を通じれば100倍どころか400倍のレバレッジが設定可能な場合もあるので、規制前のような大きな利益を生むことができると投資家の間で大きな人気を博しています。

2 海外FXの収益、確定申告での取扱いは?

株式投資などによる収益は『雑所得』と呼ばれ、給与所得者が副収入とする場合は年間20万円以上、給与所得がない場合は年間38万円以上の雑所得が発生している場合は確定申告が必要となります。

海外FXによる収益も株式投資と同じく雑所得に分類されるため、海外FXで一定以上の利益が発生した方は確定申告をする必要があります。

株式投資とFXが大きく異なるのは、株式投資では源泉徴収をしてくれる『特定口座』という制度がある一方、FXには特定口座が存在しないため、一定以上の収益があった場合には必ず確定申告の必要があるという点です。

小遣い稼ぎ程度で海外FXを始めて順調に多額の利益が発生すると「儲けには税金が課せられる」という大前提を失念してしまう方も少なくないので要注意です。

確定申告は基本的には「儲けた分を申告し、儲けに応じた税金を納めること」なので、利益が発生していない限り確定申告をする必要はありません。

ただし、海外FXは投資ですから、マイナスに転じる年もあれば大きくプラスを記録する年もあるでしょう。

もしマイナスに転じた場合でも、繰越控除によって次年以降のプラスから過去3年のマイナス分を引き去ることができるので、継続的に海外FXを続けていくつもりがあれば絶対に確定申告をしておきましょう。

実際に確定申告する際には、国内であればFX会社から『年間収益報告書』の発行を受けて収支を確定することになりますが、海外FX会社の場合はエアメールで郵送されてくる、などということはほぼありません。

各社のシステム上の取引画面でレポートなどを出力して利用することになります。

申告期限ギリギリになって確定申告書を作成していると「年間収益報告書が欲しい!」と問合せのメールを送っても対応が遅れてしまうことがあるので、事前にチェックしておきましょう。

3 まとめ

今回は本格的な投資家から主婦に至るまで大人気の海外FXにおける確定申告について紹介しました。

重要なポイントは

・海外FXで給与所得者は20万円以上、給与所得がない人は38万円以上の利益が発生した場合は確定申告が必要

・海外FXで発生した利益は『雑所得』に分類される

・海外FXでマイナスが発生した場合、以後3年間を通じて翌年以降のプラスから控除できる

・FXなどの投資商品の確定申告には必須となる『年間収益報告書』は海外FX会社のシステム上でレポートを出力することで対応するという点です。

より利益を求めると自然と手が伸びるかも知れない海外FXですが、大きな利益を生むことは同時に納税義務も大きくなります。

適切な納税を心がけながら投資を楽しみましょう。

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