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2020.01.29

個人事業主に課税される税金『個人事業税』

個人事業主に課税される税金『個人事業税』

所得税、住民税などは誰でも聞いたことがある税金ですが、意外とその存在を知らない人が多いのが『個人事業税』です。

個人事業税、その名のとおり個人事業主に課税される税金ですが、その存在自体を知らない人が多く、個人事業を立ち上げて初めての確定申告の準備をしながら「え?そんな税金があったの?」と気が付く個人事業主も少なくありません。

今回は、個人事業主に課税される『個人事業税』について、その仕組みや申告義務などについて紹介していきます。

1 個人事業税ってなに?

個人事業税とは、個人事業主が事業によって得た収入を都道府県に納税する税金です。

「何か似たような税金を納めているような気がする」と思った方は、おそらく『所得税』のことを考えているのだと思いますが、所得税は国に納税する税金です。

つまり、事業によって得た収入について、国には所得税を、都道府県には個人事業税を納税する義務があるということになります。

では個人事業主なら誰でも個人事業税が課税されるのかといえば、実はそういうことではありません。

第1から第3までに区分された合計70種類の職種に限って、職種ごとに3%から5%の税率が定められて個人事業税が課税されます。

70種類にも細分化されて対象になっているので、いわば「ほとんどの業種が対象となる」とは言えますが、例えば作家や文学家など芸術業などは個人事業税の課税対象から外されています。

個人事業税は、所得税の計算と似ています。

ただし、所得税とは控除が異なるため計算方法が少々違ってきます。

個人事業税の計算方法は、「(事業による収入−必要経費−事業主控除290万円)×職種ごとの税率」です。

この計算方法を見れば分かるとおり、所得税の計算方法で登場する青色申告特別控除などの各種控除を算入しません。

その代わり『事業主控除』の290万円が控除されることになります。

つまり、事業の儲け=所得が290万円を超えない場合は非課税です。

2 どうすればいい?個人事業税の申告

対象業種の個人事業主で年間の所得が290万円を超える場合は個人事業税が課税されます。

では、個人事業税はどのように申告すれば良いのでしょうか?

個人事業税は都道府県に納める地方税なので、基本的には毎年3月15日までに都道府県に申告する必要があります。

ところが、個人事業税は確定申告をすることで国と都道府県の税の情報がリンクするため、個別に申告する必要がなくなります。

つまり「確定申告をすれば個人事業税の申告をする必要はない」ということです。

確定申告をしておけば、毎年8月と11月の2回に分けて都道府県から納付書が郵送されてくるので、指定された方法に従って納税することになります。

個人事業税の対象業種であるかどうかは、基本的には開業する際に税務署に提出する個人事業開業届に記載した職種に準じることになります。

例えば、請負業としてイラストレーターの仕事をしていれば対象業種に該当するため個人事業税の課税対象となりますが、芸術的な仕事である画家と記載して届出をすれば対象業種ではなくなります。

もちろん、実態から精査された結果、単なる請負業としてのイラストレーターだと判断されれば課税対象となりますが、節税を意識したうえで開業するのであれば芸術系などの非課税対象業種として届出するのも良いでしょう。

3 まとめ

今回は個人事業主に課税される個人事業税について紹介しました。

重要なポイントだけおさらいしておきましょう。

・70種類の対象業種に該当する個人事業で、年間所得290万円を超える場合は個人事業税が課税される

・個人事業税は、290万円の事業主控除を差し引いた所得に職種ごとに定められた3?5%の税率を乗じて算出される

・個人事業税は都道府県に収める地方税であるが、確定申告によって国と都道府県のデータがリンクするため、個人事業税のみの個別の申告は不要である

個人事業税の申告・納税は個人事業主の義務ですが、開業する際の業種選択次第では節税できることがあります。

納税は当然の義務ですが、可能な限り賢く節税に努めたいものですね。

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