一般口座:一般口座と特定口座のどちらを作ればいいですか?
株取引を行う場合には、証券会社に取引口座を設けるのが通例です。
そして、この口座には、税の徴収の側面から見ると、特定口座と一般口座の2種類が存在します。
そこで、以下では、後者の一般口座について解説します。
一般口座とは?
一般口座とは、投資家等が上場株式等の取引のために証券会社に設置する口座のことで、特定口座に該当しないものを言います。
つまり、株取引のために証券会社に口座を設ければ、基本的には一般口座となります。
特定口座とは?
一方、特定口座とは、申告・納税手続きを簡素化するために、2003年1月から導入された制度です。
特定口座内で発生した譲渡所得は、他の口座で発生した株式等の譲渡所得と区別して計算されます。
特定口座では特定口座年間取引報告書を作成してくれる!
1年間の売買履歴を証券会社まとめた特定口座年間取引報告書を作成し、投資家等に送付します。
特定口座を開設した投資家等は、この報告書を利用すれば、譲渡所得の確定申告を簡便に行うことが可能になります。
一般口座のメリットについて
一般口座で上場株式等の取引を行う投資家は、毎年、1年間の売買履歴から自らの計算において、譲渡所得を計算し、翌年の3月15日頃の申告期限までに確定申告を行う必要があります。
2010年までは、一般口座を開設した場合、2001年9月末以前から保有していた株式については、その取得額を2009年10月1日の終値の80%として、譲渡所得を計算できるという「みなし取得費」の特例がありました。
しかし、現在では、この特例は廃止されており、特定口座を利用する場合と比較して、一般口座を利用するメリットは、ほとんどないといってよい状態となっています。
それどころか、一般口座を利用する場合には、証券会社から確定申告の際に利用できる取引報告書が送られてきません。
ですので、複雑な「株式等の譲渡所得等の金額の計算明細書」を納税者自らが作成し、確定申告を行わなくてはなりません。
このことを考えると、一般口座を使うとかえって損をするといえます。
「特定口座・源泉徴収あり」か「特定口座・源泉徴収なし」
一般口座を使用しないとすると、「特定口座・源泉徴収あり」か「特定口座・源泉徴収なし」を選択することになります
「特定口座・源泉徴収あり」を選択した場合には、給与所得がある方で譲渡所得金額が20万円以下の場合には、本来であれば税金を払う必要がないのに、税金を徴収されるというデメリットがあります。
ただし、「特定口座・源泉徴収あり」を選択すると、上場株式の譲渡所得に関する税の手続きを一切不要にできるというメリットがあります。
忙しいサラリーマンの方には、このメリットは大きいと思われます。
よって、上場株式等による譲渡所得が20万以下の場合に無駄な税金を払いたくない場合には、「特定口座・源泉徴収なし」を、そうでない場合には「特定口座・源泉徴収なし」を選択するのがよりよい方法です。