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2020.02.23

売ったマンションを「クーリングオフしたい」と言われた場合の対応

売ったマンションを「クーリングオフしたい」と言われた場合の対応

ネットショップなどで商品を購入することが当たり前になったご時世、誰でも『クーリングオフ』という制度があることはご存知でしょう。

商品を購入して一定期間内であれば返品・返金が認められるのがクーリングオフですが、これは不動産売買の業界でも認められているのでしょうか?

今回は、自身がマンションを売却した後に「クーリングオフしたい」と持ちかけられた場合の対応を紹介しましょう。

1 不動産もクーリングオフできる

まずは誰もが理解しているようでハッキリとした説明は難しい『クーリングオフ』の基本についておさらいしておきましょう。

クーリングオフとは、強引な契約などに対して一定期間内なら消費者側が一方的に契約を解除できる制度です。

クーリングオフ、英語にすると『cooling off』。

つまり「熱してしまった頭を冷やす」という意味で、頻発した商品販売トラブルトラブルから消費者を保護するために設けられました。

一般的によく知られているクーリングオフ事例は、ほとんどが訪問販売やキャッチセールスなどの特定商取引法関連でしょう。

実は、クーリングオフを定めているのは特定商取引法だけではありません。

クレジットローンは割賦販売法で、保険契約は保険業法で、投資顧問契約は金融商品取引法で、というように販売商品によって根拠法が異なります。

そして、不動産売買に関しては『宅建業法』を根拠にクーリングオフが認められています。

ただし、不動産売買でクーリングオフが認められるためには条件があります。

重要なのは「売主が誰か?」と「契約場所はどこか?」という2点です。

まず売主ですが、不動産売買でクーリングオフを適用するには、売主が宅地建物取引業者である必要があります。

要は「正規の不動産業者であるか?」が問われることになりますね。

個人間の取引であったり、不動産ブローカーを仲介にした売買の場合は適用外になるので注意しましょう。

次に契約場所です。

不動産売買でクーリングオフを適用するには、契約場所が「宅地建物取引業者の事務所や関連建物ではないこと」である必要があります。

例えば売主や買主の自宅で契約を交わしたり、事務所へ出向くのを嫌がって周辺のファミリーレストランや喫茶店などで契約を交わした場合は、クーリングオフの対象となります。

不動産売買でクーリングオフが成立する条件を満たしている場合、クーリングオフ制度を告知した日、つまり売買契約が成立した日から8日以内に書面でクーリングオフしたい旨を伝えれば、買主が一方的に契約を解除することが可能になります。

2 買主から「マンションをクーリングオフしたい」と言われたら?

不動産売買におけるクーリングオフの条件はご理解頂けたところで、本題の「買主からマンションをクーリングオフしたい」と言われた場合の対処法を考えていきましょう。

まず、売主であるあなたが宅地建物取引業者ではない場合、つまり完全な個人売買であったり、不動産業者を介していても自分自身が売主であったりすれば、クーリングオフの第1条件である「宅地建物取引業者である」という条件に合致しないことになります。

つまり、クーリングオフに応じる必要がありません。

買主に対して、本売買契約はクーリングオフ制度の対象外であることを丁寧に説明してお断りしましょう。

いくら買主がゴネたところで「できないことはできない」と毅然とした態度を貫くことが重要ですが、トラブル回避のためには弁護士への相談も視野に入れておくことがベストですね。

次に、あなたが宅地建物取引業者である場合です。

この場合、買主からクーリングオフを申し込まれることも十分予想できますが、ポイントとなるのは第2条件の契約場所です。

もし、契約書を自分の事務所や、自宅兼事務所の応接間などで交わしている場合は、クーリングオフ対象外となります。

契約書には「どこで契約書を交わした」という記載をしないのが普通なので、業務日報や備忘録などにしっかりと記録しておきましょう。

宅地建物取引業者の場合、個人間での売買よりも強くクーリングオフを求められることになります。

一旦は自社の物件を購入して頂いたお客さまですから、あまり強い態度で臨むこともできないのは当然ですね。

買主がどこに相談したところでクーリングオフ対象外であることに変わりはありませんが、丁寧な対応と説明で買主に納得してもらう必要があります。

もしトラブルに発展しそうな気配があれば、早めに弁護士に相談しておくことをオススメします。

3 まとめ

今回は「マンションを売却した後に買主からクーリングオフを申し込まれた場合の対処法」を紹介しました。

留意すべきは

・売主(自分)が宅地建物取引業者であるか?

・契約書を交わした場所は宅地建物取引業者の事務所などであるか?という2点だけです。

不動産の個人売買はクーリングオフの対象にならないので、トラブルを回避するため売買契約を交わす時点できちんと説明を果たし、後々にトラブルに発展しないためにも、契約日時や場所などを記録しておきましょう。

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