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2019.11.17

年末調整と確定申告の両方を行う場合

年末調整と確定申告の両方を行う場合

 

サラリーマンの方であれば、原則として、会社の年末調整で税に関する手続きが完結しますので、確定申告の手続きは不要です。

しかし、サラリーマンの方でも、一定の要件に該当する場合には、会社で年末調整を受けていても、確定申告が必要になります。

そこで、以下では、年末調整と確定申告の双方が必要になるケースについて解説します。

給与の収入金額が2,000万円を超える場合

サラリーマンの方で、1年間の給与収入が2,000万円を超える場合には、会社で年末調整を受けていても、確定申告が必要になります。

副業による所得が20万円を超える場合

サラリーマンの方で、副業をしており、その副業による所得が20万超える場合には、会社で年末調整を受けていても、確定申告が必要になります。

副業でマンションを賃貸していれば不動産収入が、同じく、商売をしていれば事業収入が、原稿などを作成していれば雑収入が生じます。

それらの収入金額から必要経費を差し引くと、それぞれの所得金額が算定されますが、その金額が20万円を超えた場合には、確定申告が必要になります。

もちろん、複数の所得がある場合には、1つ1つの所得が20万円を超えなくても、各所得の合計額が20万円を超えると、確定申告が必要になります。

2つ以上の会社から給与収入を得ていて、一定の要件を満たす場合

2つ以上の会社から収入を受けている方で、そのすべての収入が給与収入に該当する場合で、一定の要件を満たすと、確定申告が必要になります。

その要件とは、2つ以上の会社のうち、年末調整を受けていない会社から受ける給与収入の金額と、給与所得と退職所得以外の各種の所得の合計額が20万円を超える場合です。

なお、2つ以上の会社から給与を受ける場合には、年末調整はそのうちの1つの会社でしか受けられません。

同族会社の役員等で、一定の要件を満たす場合

同族会社(3人以下の株主等が発行済株式又は出資金の50%超を保有する会社)の役員又はその親族が、以下に該当する場合には、年末調整の他に確定申告が必要です。
(1) 貸付金の利子の支払いを受けた
(2) 店舗、工場等の賃貸料の支払いを受けた
(3) 機械・器具等の使用量の支払いを受けた

災害減免法による所得税の軽減免除を受けた場合

災害で住宅や家財の損害金額がその時価の1/2以上で、災害があった年の所得金額が1,000万円以下の一定の場合には、所得税の全額又は一部の免除を受けることができます。

この免除を、災害減免法による所得税の軽減免除といいますが、この制度を利用して所得税の軽減免除を受けた場合には、年末調整のほかに、確定申告が必要です。

年末調整の他に確定申告が必要な場合のまとめ

会社で年末調整を受けているのにもかかわらず、確定申告が必要になる場合は、まとめると、以下の5つのケースとなります。
(1) 給与の収入金額が2,000万円を超える場合
(2) 副業による所得が20万円を超える場合
(3) 2つ以上の会社から給与収入を得て、一定の要件を満たす場合
(4) 同族会社の役員等で、一定の要件を満たす場合
(5) 災害減免法による所得税の軽減免除を受けた場合

各種控除が受けられる場合について

今までは、会社で年末調整を受けたにもかかわらず、確定申告をすべき義務が生じるケースについての解説でした。

しかし、義務はないけれども、会社で年末調整をした場合でも、確定申告をした方がよい場合があります。

それは、住宅ローン減税(控除)、医療費控除や雑損控除の適用を受けることができる場合です。

これらの控除は、納税者自らが確定申告を行わないと適用を受けることができません。

よって、これらの控除を受けることができる場合には、納税者自らが確定申告を行えば、
過払いの税金の払戻を受けることができます。

年の途中で退職した場合に付いて

年の途中で退職し、同一年内に再就職になかった場合には、年末調整は行われません。

この場合には、納税者自らが確定申告を行う必要があります。

なお、年の途中で退職した場合には、確定申告を行うと、税金の還付を受けることができるケースが多いので、その手続きを忘れないようにしたいものです。

 

確定申告の手続きに源泉徴収票は必ず必要

納税者が自ら確定申告を行う場合には、会社から交付される源泉徴収票が必ず必要になります。

よって、会社から交付を受けた源泉徴収票は、なくさないように、大切に保管しておく必要があります。

 

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