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2019.09.22

大家さんが法人化するタイミングはいつ?メリットは何?

大家さんが法人化するタイミングはいつ?メリットは何?

展開する不動産事業の規模が大きくなってくると、事業を個人で行うよりも、会社を設立して法人として行う方が、様々な面で有利になってきます。
そこで、以下では、大家を法人化することによるメリットやデメリット、及びそのタイミング等について解説します。

大家を法人化することのメリットについて

大家を法人化することのメリットとしては、まず、人件費を活用できることがあげられます。
例えば、個人経営の場合で、300万円の課税所得があるとすると、ぞれぞれに対する所得税は300万円×20%−97,500円=約50万円となります。
しかし、法人化して、この300万円を役員3人に100万円ずつ報酬として支払ったとします。

この役員に他に収入がないと仮定すると、この300万円に対する税金は法人全体で0円となります。
小規模の会社では、役員は代表取締役の家族であることが多いので、この人件費を活用する方法による節税効果は、非常に大きくなります。

また、法人化をすると、減価償却費を一定の範囲内で自由に設定できます。
個人の場合には、税法上で定められた方式で計上した減価償却費以外の経費計上は認められておりません。
しかし、法人の場合には、減価償却費の計上額をある程度納税者の側で決められます。

さて、銀行から融資を受ける場合には、会計帳簿を銀行に提出して審査を受けますが、その際、利益が赤字だと、融資を受けにくくなります。
そこで、法人の場合には、減価償却費を調整して、利益が赤字にならないようにすることができます。
個人の場合にはこのことはできませんので、これも法人化のメリットになります。

また、青色申告を採用すると、赤字が生じた場合、その赤字を翌期以降の一定の期間に繰越すことができます。
この繰越により、翌期以降に黒字がでた場合に、その黒字と繰越した赤字を相殺して、利益を圧縮し、税金の節約が出来ます。
この赤字の繰越ができる期間は、個人3年、法人9年と法人の方が優遇されています。

大家を法人化することのデメリットについて

法人化のデメリットは法人住民税の均等割りの支払が必要になることです。
ほとんどの税金は、赤字であれば支払う必要がありません。
しかし、法人住民税の均等割は赤字であっても支払わなくてはなりません。

このような税金は個人にはありません。
ちなみに、東京都特別区の場合、法人住民税の均等割りは7万円~となっています。

法人化のタイミングについて

法人所得税率は、課税価額が800万円以下で約25%、同800万円以上で約38%となっています。
一方、所得税の税率は、累進課税となっておりまして、課税価額が695万円超900万円以下が約33%、900万円超1,800万円以下が約43%、1,800万円超が約50%となっています。

この税率構造から考えると、所得額が900万円超となると、所得税率が法人税率を上回るようになります。
よって、大家さんの1年間の所得が900万円を超えた時点が、法人化のタイミングとなります。
年間所得が900万円を超えると、個人所得税で支払うよりも法人税で支払った方が税金が安くなります。

逆に、年間所得が900万円以下ですと、法人化して法人税を支払うよりも、個人事業主のままで個人事業税を支払う方が、節税になります。
法人化を考える場合、税金対策以外の点も考慮しなくてはなりませんが、税金の面から考えると、年間所得900万円というのが1つのポイントとなります。

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