News

2020.02.06

借用地の購入メリットとは

借用地の購入メリットとは

土地を購入する目的は人それぞれ。

なかには「企業や他人に貸すことを目的に土地を購入したい」という方もいるでしょう。

土地は決して安い買い物ではありません。

購入してまで第三者に土地を貸そうと考えるくらいですから、利益が見込める投資的な計画があってのことと推察します。

今回は、第三者に貸すことを目的として借用地を購入するメリットについて考えていきましょう。

1 借用地は借主に『借地権』が発生する

ある土地を購入して第三者と賃貸契約を結んだとします。

すると、土地を借りた側、つまり借主には『借地権』という権利が発生します。

借地権、読んで字のごとく土地を借りて利用する権利のことで、いかに地主といえども不当にこの借地権を犯すことはできません。

借地権は大きく分けると

・契約期間が満了した場合は契約期間を更新できる『普通借地権』

・契約期間が満了した場合、基本的には借用地の上に建っている建物を解体して更地に戻して返還する必要がある『定期借地権』

の2種類があります。

普通借地権の場合、基本的には初回の契約期間は20年、以後10年ごとに更新が行われますが、契約期間の取り決めは貸主と借主の間で自由に取り決め可能とされています。

一方の定期借地権の場合は、

・契約期間が満了した場合は借主負担で更地にして返還する『一般定期借地権』…契約期間50年

・契約期間が満了した場合、地主が借用地上に建っている建物の買取を約束して契約する『建物譲渡特約付借地権』…契約期間30年

・事業用の建物を建てることを目的にしており、契約期間が満了した場合は更地にして返還する必要がある『事業用定期借地権』…契約期間10年以上50年未満

の3種類に分かれます。

借地権がある以上、貸主である地主は契約期間中に土地の返還を求めることはできません。

借主の契約不履行がない限り、借主が土地を使用する権利は強く保護されているのが借地権なのです。

2 借用地を購入することのメリット

借用地は借主が土地を使用する権利が強く認められていますが、これを補って余りあるメリットも存在します。

借用地を借主に貸すことで、当然の『地代』による収入が発生します。

建物でいう家賃と同じですね。

一戸建て住宅用地程度の地代であれば大きな収益にはならないかも知れませんが、ショッピングセンターや工場などの事業用地として契約する場合は大きな収益が見込めます。

収入は地代だけではありません。

契約更新時には『更新料』を得ることができます。

更新料に関する規定はありませんが、一般的には更地価格の4%から6%程度に設定されているようです。

さらに借用地上の建物を建て替える場合は『建替承諾料』として同じく更地価格の4%から6%程度、建物を売却する場合は『譲渡承諾料』として売却価格の10%程度を得ることができます。

借用地を所有していれば必ず固定資産税が課税されることになります。

いかに借用地上に借主所有の建物が建っていても、土地の所有者が地主である以上、土地にかかる固定資産税は地主に課税されます。

しかし、いくら毎年の固定資産税を負担するといっても地代で十分にカバーできるでしょう。

賃貸用物件としてアパートやマンションを所有していれば管理費用やメンテナンスなどのランニングコストが多額になりますが、借用地であればランニングコストはほぼ税金のみ。

存在することだけで地代による収入を得ることができるのは借用地の強みだと言えるでしょう。

定期借地権であれば借用地が返還される時期も明確であり、その後の資産運用計画が立てやすいこともメリットの一つです。

3 まとめ

今回は借用地を購入するメリットを紹介しました。

最後に今回のおさらいをしておきましょう。

・借用地について借主と賃貸契約を結んだ場合、借主には借用地を使用する『借地権』が発生するため契約不履行などの理由がない限り契約期間中の立退きなどは求められない

・借用地は地主の所有であるため地主に固定資産税が課税されるが、地代、契約更新時の更新料、建物の建替や売却時の手数料などの収入があり、納税しても余りある収入が見込める

借用地購入には大きなメリットがありますが、これはあくまでも「しっかりと借主が存在すること」が前提です。

借主が見つからない限り、固定資産税を負担し続けれるだけになってしまうわけですから、無節操に「借用地にすれば儲かるかも」と土地を購入するのは賢明ではないかもしれません。

借用地購入のメリットを最大限に活かすには、周辺の住宅事情や開発計画などをしっかりと調査したうえで購入する必要があると言えるでしょう。

トップへ戻る
クリックでナビゲーションを閉じます。