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2019.11.26

最終的には儲けを左右する?不動産の耐用年数とは

最終的には儲けを左右する?不動産の耐用年数とは

みなさんは不動産に『耐用年数』という考え方があることをご存じでしょうか?

普段の生活で耐用年数と言われれば、例えばLEDライトが約4万時間だとか、自動車のエンジンオイルは5,000kmに交換だとかの『寿命』と混同してしまいますが、不動産の耐用年数はこれとは全く違うものです。

今回は「不動産の耐用年数」について、分かりやすく紹介していきましょう。

1 耐用年数は税金に影響する?!

冒頭でも触れましたが、不動産の耐用年数とは「モノの寿命」とは全く異なる概念のものです。

ここでいう耐用年数とは「減価償却資産が利用に耐える年数」のことを指します。

難しい言葉なので、もう少し噛みくだいて説明していきましょう。

まずは『減価償却費』について知る必要があります。

減価償却とは、カンタンにいえば「時の経過によって価値が減少する『モノの劣化代』」だと言われています。

どんな物でも、購入時は新品で、使用につれて劣化していき価値が下がりますよね。

この「劣化」を経費として考えていくのが『減価償却費』です。

では『減価償却資産』とはどのようなものが該当するのでしょうか?

これは建物、建物の付属設備、機械装置、器具備品、車両運搬具などを指します。

ここもカンタンに考えれば「長期間にわたって利用できるモノ」ですね。

それでは「利用に耐える年数」とは何でしょうか?

これは財務省令に定められており、国税庁のホームページで確認することができます。

例えばデパートなどに設置されているエスカレーターは15年、鉄道のまくら木は8年、児童公園のすべり台は10年など、詳細に『法定耐用年数』が定められています。

さて、法令で耐用年数が定められていることは分かりましたが、これがどう税金とつながっていくのでしょうか?

『減価償却費』に再登場してもらいましょう。

減価償却費は実際には支出していない金額を「劣化代」として経費に計上できます。

先ほどのエスカレーターであれば、15年間は劣化代を計上できることになるわけですね。

耐用年数が長ければ、その分だけ経費として計上できる年数も増えることになり「経費がかかったので儲けが少なかった」とみなされることになります。

「儲けが少ない=所得税が低くなる」

はい、やっとここで税金につながりましたね。

減価償却費の計上によって、より多く経費を支出したことになり、所得税が低くなります。

2 不動産の耐用年数とは?

耐用年数については法令で定めれらていることを説明しましたが、不動産についても同様です。

ただし、不動産といっても『土地』に関しては時の経過によって価値が減少するわけではないので(売却のタイミングを逃して地価が下がることは「使用に

よる劣化」ではないので別問題です)減価償却資産とはみなされません。よってここでいう不動産とは『建物』や付属設備のことを指します。

不動産の耐用年数は、建物の構造によって区別されています。

また、構造ごとに『償却率』が規定されており、減価償却費は「建物の価格×償却率」によって導き出されます。

・鉄筋コンクリート(RC)…耐用年数47年、償却率0.022

・重量鉄骨…耐用年数34年、償却率0,030

・木造…耐用年数22年、償却率0,046

例えば同じ1億円の建物で構造が異なる場合の減価償却費は

・ 鉄筋コンクリート…1億円×0,022=年間220万円

・重量鉄骨…1億円×0,030=年間300間年

・木造…1億円×0,046=年間460万円

です。

鉄筋コンクリートと木造を比較した場合、木造のほうが年間の減価償却費は240万円も上回りますが、耐用年数は鉄筋コンクリートのほうが25年間も長く計上できることになります。

不動産投資のための借入年数と償却可能な年数を照らし合わせると、長く償却できる鉄筋コンクリートよりも、年間の減価償却費が高くなる木造のほうが所得税が軽減できて、最終的なキャッシュが多く手元に残ることもあります。

大切なのは「借入期間と減価償却費のバランス」ということですね。

3 まとめ

不動産の耐用年数について紹介しました。

最後にカンタンにおさらいしましょう。

・不動産の『耐用年数』は「減価償却費を計上できる期間」を指す

・耐用年数と償却率は建物の構造によって異なる

・不動産投資のための借入期間のバランスによる節税で、最終的なキャッシュフローを増やすことができる

不動産投資物件を建てる前には、借入する費用と返済に必要な期間、建物の構造に対する償却年数と償却率を計算して計画しましょう。

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