どっちがおトク?RC造住宅と木造住宅の固定資産税
これから投資物件として不動産を購入しようと考えている方は、収益のシミュ
レーションをしながら頭を悩ませていることと思います。
収益シミュレーションの中で必ず登場するのが『固定資産税』ですが、固定資
産税は不動産の価値を評価する『固定資産税評価額』によって決められること
はご存知のとおりです。
そこで気になるのが「RC造(鉄筋コンクリート)と木造、固定資産税には差
が生じるのか?」という点でしょう。
固定資産税の差が収益に大きな影響を及ぼすのであれば、非常に重要な問題で
す。
今回は、RC造住宅と木造住宅の固定資産税の差についてひもといていきなが
ら、一体どちらがおトクなのかを考えていきましょう。
1 RC造住宅は木造住宅よりも固定資産税が高い
まずは大前提を述べておきましょう。
RC造住宅は木造住宅と比べると固定資産税が高くなります。
では、なぜRC造住宅は固定資産税が高くなるのでしょうか?
RC造住宅の固定資産税が高い理由。
まず一つは高い耐久性が挙げられます。
RC造住宅は木造住宅と比べると劣化が少なく、資産価値の目減りが小さくな
ります。
購入費用を毎年分けて費用計上する減価償却の基準である『法定耐用年数』は
木造住宅が22年であるのに対してRC造住宅は47年。
単純に「2倍は長持ちする」と言われているようなものですから、高い資産価
値が認められていて当然です。
木造住宅と比べると耐震性が高いことも資産価値が高まる理由の一つでしょう
。
もう一点、RC造住宅の固定資産税が高い理由があります。
それは建築費用が木造住宅と比べると高くなることです。
RC造住宅の建築費用は、使用する材料や地域によって坪単価は異なりますが
、概ね90万円から100万円までの間です。
木造住宅は50万円前後ですから、RC造住宅のほうが2倍近く高い建築費用がか
かることになります。
こう考えると、RC造住宅の固定資産税が高くなるのは当然ですね。
2 固定資産税が高いRC造住宅は避けるべきなのか?
不動産物件の購入を検討する際には、家賃収入から毎年かかる経費を差し引い
て収益を概算し収益を予測することになります。
不動産経営のなかで固定資産税は絶対に避けられない必要経費となりますが
、RC造住宅の固定資産税が高いのであれば、RC造住宅と木造住宅の物件を比
較した場合はRC造住宅を避けたほうが収益は高くなるのでしょうか?
まず、実際にRC造住宅の固定資産税がどれくらい高いのかをみてみましょう
。
ある不動産物件所有者が、同じ1KのアパートでRC造住宅と木造住宅の固定資産
税を比較したデータがあります。
それによると、RC造住宅で4万円から4万3,000円程度、木造住宅は3万円から4
万円の範囲内だったそうです。
このデータによると、年間の固定資産税がせいぜい1万円程度しか差がないこ
とになります。
月間にすると1,000円以内の差ですから、大きくみれば大差はないと言えるで
しょう。
実は固定資産税に大差がないと考えれば、金融機関からの融資が受けやすく、
長期の借入が可能で、しかも減価償却期間が長いRC造住宅のほうが手元に多
くのキャッシュを残すことも期待できます。
3 まとめ
今回はRC造住宅と木造住宅の固定資産税の差を紹介しました。
ポイントをおさらいしておきましょう。
? RC造住宅と木造住宅を比較すると、耐久性と建築費用が高いRC造住宅は
資産価値が高く固定資産税は高く課税される
? 実際の物件を比較すると、RC造住宅と木造住宅の固定資産税の差は年間1
万円程度というデータがあり、必要経費の面では大差がないと言える
固定資産税は年間の必要経費の中でも大きな部分を占めるので、抑えるに越し
たことはないのが事実です。
しかし、固定資産税の多寡だけにとらわれて物件を選ぶよりも、融資の可否や
年数、減価償却費などから総合的に判断する必要があると言えるでしょう。