源泉徴収票の見方とは?支払金額・所得控除・源泉徴収税額の読み方を税理士が解説【2026年版】
- 1. 源泉徴収票とは(3行サマリー)
- 2. まず押さえる「4つの数字」
- 3. 「4つの数字」で自分の所得税をたどる
- 4. 控除まわりの欄の見方
- 5. 令和7年分からの様式変更
- 6. 源泉徴収票を使う場面と注意点
- 7. まとめ
- よくある質問(FAQ)
1. 源泉徴収票とは(3行サマリー)
- 源泉徴収票は、勤務先が発行する、その年の給与総額・源泉徴収した所得税額・各種控除をまとめた法定の書類です。通常、年末調整の後、12月〜翌年1月に交付されます。
- 会社は、従業員に交付するとともに、一定額を超える場合は税務署にも提出します(国税庁 No.7411)。給与支払報告書として市区町村にも提出され、これが住民税の計算のもとになります。
- 記載の中心は4つの数字——「支払金額」「給与所得控除後の金額」「所得控除の額の合計額」「源泉徴収税額」。この4つのつながりが分かれば、源泉徴収票は読めます。
2. まず押さえる「4つの数字」
源泉徴収票の上段には、次の4つの金額が並びます。これがすべての土台です。
| 欄の名称 | 意味 | ひとことで言うと |
|---|---|---|
| 支払金額 | その年に支払われた給与・賞与の額面(税・社会保険料を引く前)の合計 | いわゆる「年収」 |
| 給与所得控除後の金額(調整控除後) | 支払金額から給与所得控除を差し引いた後の金額 | 「給与所得」 |
| 所得控除の額の合計額 | 基礎控除・配偶者控除・扶養控除・社会保険料控除・生命保険料控除などの合計 | 差し引ける控除の総額 |
| 源泉徴収税額 | 年末調整後に確定した、その年の所得税+復興特別所得税の年税額 | 最終的に納めた所得税 |
「支払金額」は手取りではなく額面です。ここから社会保険料や税金が引かれて手取りになります。転職した人は、前職の給与を含めて年末調整していれば前職分も合算されますが、含めていない場合は現職分のみが記載されるため注意が必要です。
3. 「4つの数字」で自分の所得税をたどる
源泉徴収票の4つの数字は、所得税の計算そのものです。次の3ステップでつながっています。
- 支払金額 −(給与所得控除)= 給与所得控除後の金額
額面年収から、給与所得者の必要経費にあたる「給与所得控除」を引きます。給与所得控除は収入に応じて決まり、最低額は令和7年分から65万円に引き上げられました(国税庁 No.1410)。
- 給与所得控除後の金額 − 所得控除の額の合計額 = 課税所得
給与所得から、基礎控除・扶養控除・社会保険料控除などの所得控除の合計を引いた残りが、税率をかける対象(課税所得)です。
- 課税所得 × 税率 −(税額控除)= 源泉徴収税額
課税所得に所得税の税率(5%〜45%の超過累進)をかけ、住宅ローン控除などの税額控除を差し引き、復興特別所得税(2.1%)を加えたものが「源泉徴収税額」です。
つまり、源泉徴収票を上から下へたどると、年収 → 給与所得 → 課税所得 → 所得税という所得税の計算の流れがそのまま見えるようになっています。
4. 控除まわりの欄の見方
4つの数字の下段には、控除の内訳が記載されます。ここが正しく反映されているかの確認が重要です。
- 社会保険料等の金額——健康保険・厚生年金・雇用保険など、その年に給与から天引きされた社会保険料の合計です。全額が所得控除(社会保険料控除)の対象になります。
- 生命保険料の控除額 / 地震保険料の控除額——年末調整で申告した保険料控除の額です(支払保険料そのものではなく、計算後の控除額)。
- (源泉)控除対象配偶者の有無 / 配偶者(特別)控除の額——配偶者控除・配偶者特別控除の適用状況と控除額です。
- 控除対象扶養親族の数(特定・老人・その他)/ 16歳未満扶養親族の数——扶養している家族の人数です。16歳未満の子は扶養控除の対象外のため、区別して記載されます。
- 住宅借入金等特別控除の額——住宅ローン控除(税額控除)の額です。所得控除ではなく、算出した税額から直接差し引かれます。
- 摘要——前職の給与や、年末調整で控除しきれなかった内容など、補足事項が記載されます。
源泉徴収票を拝見すると、生命保険料控除の証明書を出し忘れていた、扶養親族の人数が実態と違う、といった記載漏れが見つかることがあります。年末調整は毎年のことなので見落としが起きがちです。一般論として、控除の欄が想定どおりか一度ご自身で確認し、漏れがあれば確定申告で取り戻せる、とお伝えしています。
5. 令和7年分からの様式変更
令和7年度税制改正にともない、令和7年分の源泉徴収票から様式が改正されました。とくに家計に関わる変更点は次のとおりです。
- 「特定親族特別控除の額」欄の新設——19歳以上23歳未満の子(大学生年代)に関する新しい控除「特定親族特別控除」が令和7年分から創設され、その適用額を記載する欄が源泉徴収票に加わりました。
- 基礎控除・給与所得控除の引上げの反映——基礎控除の引上げ(合計所得に応じ最大95万円)や給与所得控除の最低額65万円への引上げが、「給与所得控除後の金額」や「源泉徴収税額」に反映されています。
これらの改正で、同じ年収でも令和6年分と令和7年分では手取りや税額が変わっている場合があります。源泉徴収票の数字が前年と違うと感じたら、この改正の影響も一因です。
6. 源泉徴収票を使う場面と注意点
- 「支払金額」を手取りだと思い込む(実際は税・社会保険料を引く前の額面)
- 「源泉徴収税額」を住民税だと誤解する(この欄は所得税+復興特別所得税のみ。住民税は別)
- 医療費控除・ふるさと納税(ワンストップ外)・初年度の住宅ローン控除を年末調整で済むと思い込む(これらは確定申告が必要)
- 転職者が前職分を合算せず年末調整を受け、源泉徴収票が現職分だけになっていることに気づかない
- 副業の所得があるのに、給与の源泉徴収票だけで完結すると考える
- 提出用途では「支払金額」が年収、「給与所得控除後の金額」が所得として使われることを理解する
- 控除の欄(扶養・保険・社会保険料)が実態どおりか毎年確認する
- 年末調整で受けられない控除(医療費控除・ふるさと納税の申告・住宅ローン控除初年度)は、源泉徴収票を手元に確定申告で取り戻す
- 転職した年は、前職の源泉徴収票を現職に提出して合算して年末調整を受ける
- 数字に疑問があれば、給与明細と突き合わせ、必要に応じて勤務先や税理士に確認する
7. まとめ
源泉徴収票は、1年間の給与と税金のすべてが1枚に凝縮された書類です。見るべき勘所は次のとおりです。
- 中心は4つの数字——支払金額(年収)、給与所得控除後の金額(給与所得)、所得控除の額の合計額、源泉徴収税額(所得税の年税額)。
- 上から下へ年収 → 給与所得 → 課税所得 → 所得税とたどれば、自分の税金の計算が読める。
- 支払金額は額面(手取りではない)、源泉徴収税額は所得税のみ(住民税は別)。
- 控除の欄(扶養・保険・社会保険料)が実態どおりか毎年確認し、漏れは確定申告で取り戻す。
- 令和7年分から様式が改正され、「特定親族特別控除の額」欄が新設。基礎控除・給与所得控除の引上げも反映。
「源泉徴収票の数字が正しいか確認したい」「年末調整で受けられなかった控除を確定申告で取り戻したい」「副業や不動産所得があり申告が必要か分からない」——税理士法人 小山・ミカタパートナーズでは、公認会計士・税理士・米国公認会計士のトリプルホルダーの視点で、個人の確定申告から経営者の税務まで伴走します。お気軽にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
源泉徴収票の「支払金額」は手取りですか?
「源泉徴収税額」がゼロなのはなぜですか?
源泉徴収票で確定申告は必要ですか?
源泉徴収票をなくしました。再発行できますか?
令和7年分から様式が変わったと聞きました。何が変わりましたか?
出典・参考資料
- 国税庁タックスアンサー No.7411(「給与所得の源泉徴収票」の提出範囲と提出枚数等)
- 国税庁タックスアンサー No.1410(給与所得控除)
- 国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」
- 国税庁「令和7年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」
本記事は、給与所得の源泉徴収票の見方に関する一般的な情報提供であり、個別の税務判断に代わるものではありません。記載欄の名称・様式は年分や改正により変わることがあり、控除の適用や確定申告の要否は個々の状況により異なります。実際の申告・確認にあたっては、勤務先・所轄の税務署または税理士等の専門家にご確認ください。
発行:税理士法人 小山・ミカタパートナーズ / 文責:代表 小山晃弘(公認会計士・税理士・米国公認会計士)
出典確認日:2026年7月20日
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