限定承認には「見えない所得税」がついてくる|みなし譲渡所得課税(所得税法59条1項1号)の決定版を税理士が解説
- 1. 3行サマリー
- 2. 限定承認とは——民法上の位置づけ
- 3. 【核心】なぜ限定承認だと譲渡所得税がかかるのか
- 4. 税額はどう計算するのか
- 5. 相続人が後で売ったときはどうなるか
- 6. 相続税との関係
- 7. スケジュール——4つの期限が同時に走る
- 8. 限定承認が向いているケース・向いていないケース
- 9. 失敗vs王道
- 10. まとめ
- よくある質問(FAQ)
1. 3行サマリー
- 限定承認をすると、その時における価額(時価)で被相続人が資産を譲渡したものとみなされ、被相続人に譲渡所得が発生します(所得税法第59条第1項第1号)。申告は準確定申告(4か月以内)で行います
- 通常の相続では取得費を引き継ぎますが(所得税法第60条第1項第1号)、この規定は「相続(限定承認に係るものを除く。)」と括弧書きで限定承認を外しています。だから限定承認では含み益がその時点で精算されます
- 期限は3か月(家庭裁判所への申述)・4か月(準確定申告)・5日(官報公告)が同時並行で走ります。共同相続人の全員が共同してのみ限定承認できる点(民法第923条)も、実務上の大きな制約です
2. 限定承認とは——民法上の位置づけ
相続人は、相続を知ったときから3つの選択肢を持ちます。
「相続人は、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して、相続の承認をすることができる。」
つまり、プラスの財産を受け取りつつ、マイナスの財産はプラスの範囲でしか負担しない、という「いいとこ取り」に見える制度です。
3つの選択肢の比較
| 項目 | 単純承認 | 限定承認 | 相続放棄 |
|---|---|---|---|
| プラスの財産 | すべて承継する | 承継するが、債務弁済後の残余のみ手元に残る | 一切承継しない |
| マイナスの財産 | すべて承継する(自己の固有財産でも弁済) | 相続によって得た財産の限度でのみ弁済する | 一切承継しない |
| 家庭裁判所への申述 | 不要(何もしなければ単純承認) | 必要 | 必要 |
| 申述の期限 | ― | 自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内 | 自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内 |
| 共同相続人の扱い | 各自が単独で判断できる | 共同相続人の全員が共同してのみできる | 各自が単独でできる |
| 財産目録の提出 | 不要 | 必要(家庭裁判所に提出) | 不要 |
| 官報公告 | 不要 | 必要(限定承認後5日以内、期間は2か月を下れない) | 不要 |
| みなし譲渡所得課税 | なし | あり(所得税法第59条第1項第1号) | なし |
| 特定の財産だけ残せるか | ― | 先買権により、鑑定人の評価額を弁済すれば残せる余地がある | 残せない |
期限は「知った時から3か月」
「相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。」
財産と債務の全容が3か月で把握できないことは珍しくありません。その場合は家庭裁判所に期間の伸長を請求できることを覚えておいてください。何もしないまま3か月が経過すると、原則として単純承認をしたものとみなされます。
全員でしかできない
「相続人が数人あるときは、限定承認は、共同相続人の全員が共同してのみこれをすることができる。」
これが実務では最大のハードルです。相続人が5人いて4人が賛成でも、1人が反対すれば限定承認はできません。一方、相続放棄は各自が単独でできるため、反対する相続人が放棄すれば残りの人で限定承認できる、という組み立てになります。
限定承認後の手続
限定承認をした後は、清算手続に入ります。
「限定承認者は、限定承認をした後五日以内に、すべての相続債権者(相続財産に属する債務の債権者をいう。)及び受遺者に対し、限定承認をしたこと及び一定の期間内にその請求の申出をすべき旨を公告しなければならない。この場合において、その期間は、二箇月を下ることができない。」
「第一項の規定による公告は、官報に掲載してする。」
さらに、知れている相続債権者及び受遺者には、各別にその申出の催告をしなければならないとされています(民法第927条第3項)。この官報公告と催告を怠ると、限定承認者が損害賠償責任を負う可能性があります。単に申述して終わりではありません。
3. 【核心】なぜ限定承認だと譲渡所得税がかかるのか
ここが本記事の核心です。
条文はこう書かれている
「次に掲げる事由により居住者の有する山林(事業所得の基因となるものを除く。)又は譲渡所得の基因となる資産の移転があつた場合には、その者の山林所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額の計算については、その事由が生じた時に、その時における価額に相当する金額により、これらの資産の譲渡があつたものとみなす。
一 贈与(法人に対するもの及び公益信託の受託者である個人に対するもの(その信託財産とするためのものに限る。)に限る。)又は相続(限定承認に係るものに限る。)若しくは遺贈(法人に対するもの並びに公益信託の受託者である個人に対するもの(その信託財産とするためのものに限る。)及び個人に対する包括遺贈のうち限定承認に係るものに限る。)」
「相続(限定承認に係るものに限る。)」——この6文字が、限定承認の税務のすべてです。通常の相続は59条の対象外ですが、限定承認だけは名指しで対象に入っています。
もう一方の条文とセットで読む
なぜこうなっているのかは、所得税法第60条を並べると分かります。
「居住者が次に掲げる事由により取得した前条第一項に規定する資産を譲渡した場合における(中略)譲渡所得の金額(中略)の計算については、その者が引き続きこれを所有していたものとみなす。
一 贈与(中略)、相続(限定承認に係るものを除く。)又は遺贈(中略及び包括遺贈のうち限定承認に係るものを除く。)」
59条は「限定承認に限る」、60条は「限定承認を除く」。この2つは表と裏です。
- 通常の相続:60条により、相続人は被相続人の取得費と取得時期を引き継ぐ。だから相続の時点では課税されず、相続人が将来売ったときに、被相続人の代からの含み益がまとめて課税される
- 限定承認:60条から外れるため、取得費を引き継げない。そこで59条で相続開始時にいったん精算し、相続人は相続開始時の時価で取得したものとして扱う
つまり、限定承認では含み益の課税が先送りされず、その場で確定するわけです。
なぜ精算する必要があるのか
限定承認は「相続によって得た財産の限度でのみ債務を弁済する」制度です。相続人の固有財産と相続財産が切り離されるため、被相続人の代で生じた含み益を相続人に引き継がせることが制度の建て付けに合いません。 そこで、被相続人の最後の年分でいったん清算する、という設計になっています。
4. 税額はどう計算するのか
計算の基本
みなし譲渡による譲渡所得は、次のように計算します。
収入金額(=相続開始時の時価)-(取得費+譲渡費用)=譲渡所得の金額
このとき、譲渡費用は実際には発生していないのが通常です。取得費が分からない場合は、収入金額の5%を概算取得費とすることができます(租税特別措置法第31条の4、国税庁タックスアンサーNo.3258)。先祖代々の土地のように取得費が不明な資産では、時価の95%が課税対象になり得ます。
税率——所有期間は「被相続人の」もので判定する
譲渡したものとみなされるのは被相続人ですから、所有期間も被相続人が取得した日から判定します。
| 区分 | 所有期間(譲渡した年の1月1日において) | 所得税 | 住民税 |
|---|---|---|---|
| 長期譲渡所得(土地建物等) | 5年を超える | 15% | 5% |
| 短期譲渡所得(土地建物等) | 5年以下 | 30% | 9% |
| 上場株式等・一般株式等 | 期間による区分なし | 15% | 5% |
(出典:国税庁タックスアンサーNo.3208「長期譲渡所得の税額の計算」、No.3211「短期譲渡所得の税額の計算」。上記のほか、平成25年から令和19年までは復興特別所得税として基準所得税額の2.1%を併せて申告・納付します)
実は「住民税はかからない」
ここは実務で効く論点です。個人住民税の賦課期日は、当該年度の初日の属する年の1月1日とされています。
「個人の道府県民税の賦課期日は、当該年度の初日の属する年の一月一日とする。」(第39条)
「個人の市町村民税の賦課期日は、当該年度の初日の属する年の一月一日とする。」(第318条)
死亡した年の所得に対する個人住民税は、翌年度の賦課期日(翌年1月1日)に納税義務者が存在しないため、課されない扱いになります。したがって、みなし譲渡所得に実際にかかるのは所得税と復興特別所得税だけです。
| 区分 | 表面上の税率(住民税込み) | 準確定申告での実際の負担 |
|---|---|---|
| 長期譲渡所得(土地建物等) | 20.315% | 15.315% |
| 短期譲渡所得(土地建物等) | 39.63% | 30.63% |
| 上場株式等・一般株式等 | 20.315% | 15.315% |
一般に紹介されている20.315%・39.63%という数字は住民税を含んだものです。準確定申告では住民税部分が落ちるため、実際の負担は上の表の右列になります。限定承認の可否を試算するときに、この差は小さくありません。
数字で見る
たとえば、被相続人が40年前に取得した土地(取得費不明)で、相続開始時の時価が5,000万円、債務が4,000万円だったとします。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 収入金額(相続開始時の時価) | 5,000万円 |
| 概算取得費(収入金額×5%) | 250万円 |
| 譲渡費用 | 0円 |
| 譲渡所得の金額 | 4,750万円 |
| 所得税+復興特別所得税(長期・15.315%) | 727万4,625円 |
つまり、財産5,000万円・債務4,000万円で差引1,000万円のプラスに見えていた相続に、727万円あまりの所得税が乗ります。しかもこの所得税は被相続人の債務ですから、清算の対象です。手元に残ると期待していた1,000万円は、実際には270万円程度まで縮みます。
「プラスかマイナスか分からないから限定承認」という判断が、この所得税を計算に入れていないと成り立たないことがお分かりいただけると思います。
5. 相続人が後で売ったときはどうなるか
限定承認の唯一の税務上のメリットが、ここにあります。
所得税法第60条の適用がない結果、相続人は相続開始時の時価で取得したものとして扱われます。したがって、相続人が後にその資産を売却した場合、取得費は相続開始時の時価、取得の日は相続開始の日になります。
| 場面 | 通常の相続 | 限定承認 |
|---|---|---|
| 相続時の被相続人への課税 | なし | あり(みなし譲渡・59条) |
| 相続人が引き継ぐ取得費 | 被相続人の取得費(60条) | 相続開始時の時価 |
| 相続人が引き継ぐ取得の日 | 被相続人の取得の日(60条) | 相続開始の日 |
| 相続人が後に売却したときの課税対象 | 被相続人の代からの含み益を含む | 相続開始後の値上がり分のみ |
先ほどの例なら、相続人がその土地を5,000万円で売っても、取得費が5,000万円ですから譲渡所得はゼロです。含み益はすでに被相続人の側で精算済みだからです。二重課税にはなりません。
ただし、相続人の取得の日が相続開始の日にリセットされる点には注意が必要です。相続人がすぐに売却すると、所有期間5年以下の短期譲渡(30%+復興特別所得税+住民税9%)に該当し得ます。通常の相続なら被相続人の取得の日を引き継ぐため長期になる場面でも、限定承認では短期になり得ます。
6. 相続税との関係
限定承認をしても、相続税が非課税になるわけではありません。 相続税は通常どおり、取得した財産の価額をもとに計算します。
そのうえで、みなし譲渡により生じた所得税は、被相続人の債務として債務控除の対象になります。
課税価格に算入すべき価額は、当該財産の価額から次に掲げるものの金額のうちその者の負担に属する部分の金額を控除した金額による。
「一 被相続人の債務で相続開始の際現に存するもの(公租公課を含む。)」
準確定申告により納付する所得税は、この「公租公課」に含まれます。相続税の申告書を作るときに、この債務控除を落とさないでください。
なお、限定承認では相続財産が債務の弁済に充てられるため、最終的に相続人が取得する財産が基礎控除額以下になり、相続税の申告そのものが不要になることもあります。相続税と所得税の両方を並べて試算しないと、全体像は見えません。
みなし譲渡所得税は誰が払うのか
みなし譲渡所得税は被相続人の租税債務であり、限定承認の清算手続のなかで相続財産から弁済されるべきものと整理されます。民法第922条が「相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務(中略)を弁済すべきことを留保して」と定めている以上、相続人が自己の固有財産から負担しなければならないものではない、というのが一般的な理解です。
ただし、相続債権者への弁済の順序や、相続人が先買権を行使して特定の財産を手元に残した場合の扱いなど、清算手続の中では個別に検討すべき論点が残ります。限定承認の清算は税務と法務が交差する領域ですので、申述の前に両面から確認することをおすすめします。
7. スケジュール——4つの期限が同時に走る
限定承認の実務は、期限の管理がすべてです。
| 期限 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 知った時から3か月以内 | 家庭裁判所への限定承認の申述(財産目録を作成して提出) | 民法第915条第1項、第924条 |
| 限定承認の後5日以内 | すべての相続債権者・受遺者への官報公告(期間は2か月を下れない)、知れている者への各別の催告 | 民法第927条第1項・第3項・第4項 |
| 知った日の翌日から4か月以内 | 被相続人の準確定申告(みなし譲渡所得を含む)と納税 | 所得税法第125条第1項 |
| 知った日の翌日から10か月以内 | 相続税の申告と納税 | 相続税法第27条第1項 |
3か月で判断し、その1か月後には準確定申告という日程です。しかも準確定申告には相続開始時の時価の評価が必要で、不動産があれば鑑定や査定に時間がかかります。
実務家の立場から申し上げると、限定承認を検討し始めた時点で、同時にみなし譲渡所得の概算を出すのが正しい順番です。「限定承認をしてから税金を考える」では、4か月に間に合いません。
8. 限定承認が向いているケース・向いていないケース
向いているケース
- 債務の全容が不明で、後から思わぬ債務が出てくる可能性がある。連帯保証の有無が確認できない
- 相続財産の大半が現金・預金で、含み益のある資産が少ない。みなし譲渡所得が小さくなる
- どうしても手放したくない特定の財産(自宅、家業の本社不動産など)があり、先買権を使って残したい
- 相続人が少数で、全員の合意が取れる
向いていないケース
- 含み益の大きい不動産・非上場株式が中心で、取得費も不明。みなし譲渡所得税が重い
- 明らかに債務が財産を上回っている。この場合は相続放棄のほうが簡明で、費用も手間も小さい
- 明らかに財産が債務を上回っている。この場合は単純承認でよく、限定承認は税負担を増やすだけ
- 相続人が多数で、全員の合意が取れない。1人でも反対すれば限定承認はできない
一般論として、限定承認が本当に効くのは「債務の全容が分からない」という一点に尽きます。逆に言えば、財産と債務のどちらが大きいかがはっきりしているなら、単純承認か相続放棄のどちらかで足ります。過去のご相談の傾向として申し上げると、限定承認を検討して最終的に相続放棄に落ち着くケースが相当あります。全員の合意という制約と、みなし譲渡所得税という制約を並べたときに、費用対効果が合わないためです。「限定承認は制度としては優秀だが、使いどころが狭い」——これが実務の実感に近い表現だと思います。
9. 失敗vs王道
- 限定承認を「財産の範囲でしか払わなくていい制度」とだけ理解し、みなし譲渡所得課税を計算に入れずに申述する。
- 相続放棄と同じ感覚で、相続人の1人だけが限定承認しようとする。限定承認は共同相続人の全員が共同してのみできる。
- 3か月の期限だけを見ていて、準確定申告の4か月に気づかない。時価評価が間に合わなくなる。
- 取得費の資料を探さずに概算取得費5%で計算し、実際には契約書が残っていて取得費がもっと大きかった、と後から分かる。
- 限定承認の申述で安心して、5日以内の官報公告と知れている債権者への各別の催告を忘れる。
- 表面の税率(20.315%・39.63%)で試算し、準確定申告では住民税がかからないことを織り込まずに過大な税額で判断する。
- 相続人が相続後すぐに資産を売却し、取得の日が相続開始の日にリセットされている(=短期譲渡になる)ことに気づかない。
- 相続税の申告で、みなし譲渡所得税を債務控除に入れ忘れる。
- 期間伸長の申立てができることを知らず、財産調査が終わらないまま3か月が過ぎて単純承認とみなされる。
- 相続を知ったら、まず財産・債務の概算リストを作る。この段階で「含み益のある資産がどれだけあるか」を必ず1行入れる。
- 限定承認を検討し始めた時点で、みなし譲渡所得の概算を同時に出す。 時価×95%×15.315%(長期・取得費不明の場合)で当たりをつければ、判断に足りる精度になる。
- 財産調査が3か月で終わらないと分かった時点で、家庭裁判所に期間の伸長を請求する(民法第915条第1項ただし書)。
- 相続人が複数なら、全員の合意が取れるかを最初に確認する。取れないなら、反対者に相続放棄をしてもらう組み立てを検討する。
- 単純承認・限定承認・相続放棄の3案を、税額まで入れた数字で並べて比較する。限定承認だけを検討しない。
- 申述後は、5日以内の官報公告と知れている債権者への各別の催告を工程表に入れる。
- 準確定申告では、取得費の資料(売買契約書・領収書)を最後まで探す。5%に頼るのは資料が本当にない場合だけにする。
- 相続税の申告では、みなし譲渡所得税を債務控除に確実に反映させる。
10. まとめ
限定承認は、制度としてはよくできていますが、税務を抜きに語れません。
- 限定承認をすると、相続開始時の時価で被相続人が譲渡したものとみなされ、譲渡所得が発生します(所得税法第59条第1項第1号)
- 仕組みの理由は所得税法第60条にあります。通常の相続は取得費を引き継ぐ(60条)が、限定承認は除かれているため、その場で含み益を精算します
- 申告は準確定申告(知った日の翌日から4か月以内)。取得費が不明なら収入金額の5%が概算取得費になります
- 準確定申告では個人住民税が課されないため、実際の負担は長期15.315%・短期30.63%です。表面の20.315%・39.63%で試算すると過大になります
- 相続人が引き継ぐ取得費は相続開始時の時価、取得の日は相続開始の日。二重課税にはなりませんが、すぐ売ると短期譲渡になり得ます
- みなし譲渡所得税は相続税の債務控除の対象(相続税法第13条第1項第1号)です
- 期限は3か月(申述)・5日(官報公告)・4か月(準確定申告)・10か月(相続税)が同時並行で走ります。共同相続人の全員が共同してのみ限定承認できる点(民法第923条)も忘れないでください
税理士法人 小山・ミカタパートナーズでは、限定承認を検討される段階で、単純承認・限定承認・相続放棄の3案を、みなし譲渡所得税と相続税まで入れた数字でお示ししています。3か月という期限のなかで最も価値があるのは、「どれが有利か」を早い段階で数字にして見せることだと考えているためです。含み益のある不動産や非上場株式をお持ちの方の相続では、判断の順番を間違えると後戻りできません。
よくある質問(FAQ)
限定承認をしても、相続税はかかりますか?
相続放棄でもみなし譲渡所得課税は起きますか?
相続財産が預金だけの場合も、みなし譲渡所得税はかかりますか?
取得費が分からない場合、必ず5%で計算しなければなりませんか?
相続人のうち1人だけが限定承認することはできますか?
3か月では財産と債務を調べきれません。
準確定申告でみなし譲渡を申告するとき、住民税はどうなりますか?
限定承認をした後、相続人が不動産をすぐ売ると税金はどうなりますか?
先買権とは何ですか?
限定承認はどのくらい使われている制度なのですか?
出典・参考資料
- 国税庁タックスアンサー No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)(令和7年4月1日現在法令等)
- 国税庁タックスアンサー No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)(令和7年4月1日現在法令等)
- 国税庁タックスアンサー No.3208 長期譲渡所得の税額の計算(令和7年4月1日現在法令等)
- 国税庁タックスアンサー No.3211 短期譲渡所得の税額の計算(令和7年4月1日現在法令等)
- 国税庁タックスアンサー No.3258 取得費が分からないとき(令和7年4月1日現在法令等)
- 国税庁タックスアンサー No.4126 相続財産から控除できる債務(令和7年4月1日現在法令等)
- 国税庁 所得税基本通達「法第59条《贈与等の場合の譲渡所得等の特例》関係」
- 国税庁 所得税基本通達「法第33条《譲渡所得》関係」
- e-Gov法令検索 所得税法(昭和40年法律第33号)
- e-Gov法令検索 民法(明治29年法律第89号)
- 根拠法令:民法第915条、第922条、第923条、第924条、第927条/所得税法第59条第1項第1号、第60条第1項第1号、第125条第1項/租税特別措置法第31条、第32条、第31条の4/相続税法第13条第1項第1号、第27条第1項/地方税法第39条、第318条/復興財源確保法第13条、第28条
本記事は、法令および国税庁の公表資料に基づく一般的な情報提供であり、個別の事案に関する税務上・法務上の取扱いを保証するものではありません。限定承認の可否、みなし譲渡所得の金額、清算手続における弁済の順序、相続税における債務控除の範囲は、個々の事実関係により異なります。限定承認は3か月という短い期間内に判断を要し、いったん申述すると撤回が制限されます。実際の判断にあたっては、最新の法令をご確認のうえ、必要に応じて税理士・弁護士にご相談ください。
発行:税理士法人 小山・ミカタパートナーズ / 文責:代表 小山晃弘(公認会計士・税理士・米国公認会計士)
出典確認日:2026年8月23日
限定承認は「決める前」にご相談ください
公認会計士・税理士・米国公認会計士のトリプルホルダーの視点で、単純承認・限定承認・相続放棄の3案を、みなし譲渡所得税と相続税まで入れた数字でお示ししています。3か月の期限のなかで最も価値があるのは、どれが有利かを早い段階で数字にして見せることです。
無料相談はこちらこの記事は執筆時点の法令・通達に基づいています。最終確認日:2026年8月2日(現行制度との照合を実施)。税制は改正されます。実際のご判断の前に、最新の情報をご確認いただくか、税理士法人 小山・ミカタパートナーズまでご相談ください。
