2026年度の中小企業向け補助金まとめ|IT導入補助金が「デジタル化・AI導入補助金」に改称、今夏の公募スケジュールを税理士が解説

「使える補助金はないか」と探し始めて、まず戸惑うのが制度の多さと、毎年のように変わる名称・公募スケジュールです。2026年度(令和8年度)は、ものづくり補助金・新事業進出補助金・省力化投資補助金・IT導入補助金といった主要な補助金が、それぞれ新しい公募回に入っています。 なかでも大きな変化が、これまで設備投資・ITツール導入の定番だった「IT導入補助金」が、令和8年度から「デジタル化・AI導入補助金」に名称変更されたことです。本記事では、2026年夏時点で動いている主要な補助金の公募スケジュールを一覧で整理し、補助金を取りにいくために実務で押さえるべきことを、税理士が解説します。
📋 この記事の目次
  1. 1. 何が起きたのか(3行サマリー)
  2. 2. 2026年夏時点の主要補助金スケジュール一覧
  3. 3. IT導入補助金が「デジタル化・AI導入補助金」へ
  4. 4. 専門家の視点:補助金は「採択」より「お金が出るまで」が長い
  5. 5. 実務で押さえるべきこと
  6. 6. まとめ
  7. よくある質問(FAQ)

1. 何が起きたのか(3行サマリー)

  • 令和8年度から「IT導入補助金」が「デジタル化・AI導入補助金」に名称変更。AI導入も後押しする方向で、第2次〜第4次の公募が進行中
  • 新事業進出補助金は第4回の締切が2026年6月19日。ものづくり補助金・省力化投資補助金・事業承継M&A補助金も、それぞれ今夏に公募回がある
  • 補助金は「後払い(精算払い)」かつ「発注は交付決定後が原則」。スケジュールと資金の段取りを早めに押さえることが、取りこぼさないカギ

2. 2026年夏時点の主要補助金スケジュール一覧

中小機構「補助金活用ナビ」で公表されている、主な補助金の直近の公募スケジュールは次のとおりです(2026年6月時点)。締切は変更される場合があるため、申請前に必ず各公式サイトで最新の公募要領をご確認ください。

補助金直近の公募回申請締切採択発表(予定)
新事業進出補助金第4回2026年6月19日 18時2026年9月頃
ものづくり補助金第23次2026年5月8日 17時(受付終了)2026年8月上旬
デジタル化・AI導入補助金(旧 IT導入補助金)第2次2026年6月15日2026年7月23日
デジタル化・AI導入補助金(旧 IT導入補助金)第3次2026年7月21日2026年9月2日
デジタル化・AI導入補助金(旧 IT導入補助金)第4次2026年8月25日2026年10月7日
中小企業省力化投資補助金〈一般型〉第7回2026年7月下旬(申請受付は7月上旬〜)2026年8月下旬以降
小規模事業者持続化補助金(通常枠)第19回2026年4月30日 17時(受付終了)確定次第
事業承継・M&A補助金第15次2026年7月24日 17時確定次第
💡 今まさに申請できる/間に合うのはどれか … 上の表のうち、2026年6月後半〜8月にかけて申請できるのは、デジタル化・AI導入補助金(第3次・第4次)、省力化投資補助金〈一般型〉第7回、事業承継・M&A補助金第15次などです。新事業進出補助金第4回は6月19日が締切で、これを逃すと次回公募を待つことになります。「自社の投資計画に合う補助金はどれで、次に申請できるのはいつか」を、まずスケジュールから逆算するのが出発点です。

3. IT導入補助金が「デジタル化・AI導入補助金」へ

2026年度の最も分かりやすい変化が、IT導入補助金の名称変更です。会計ソフト・受発注システム・予約管理など、業務に使うITツールの導入費用を補助してきたこの制度は、令和8年度から「デジタル化・AI導入補助金」となりました。名称に「AI」が加わったとおり、中小企業のデジタル化に加えてAIの導入・活用を後押しする方向が打ち出されています。

公募は第2次以降が進行しており、第3次(締切2026年7月21日)・第4次(締切2026年8月25日)と、夏に申請のチャンスが続きます。これまでIT導入補助金を検討していた事業者は、名称が変わっても制度の趣旨(ITツール・デジタル化投資の支援)は引き継がれているため、新名称で最新の公募要領を確認しましょう。

⚠️ 「名前が変わった=別物」ではない … 名称変更でつい「制度がなくなった」と思いがちですが、デジタル化・AI導入補助金はIT導入補助金の後継です。検索するときは新名称「デジタル化・AI導入補助金」で公募要領・対象ツール・補助率を確認してください。補助対象となるツールやAIの範囲は公募要領で定められるため、導入予定のツールが対象かを必ず照合することが大切です。

4. 専門家の視点:補助金は「採択」より「お金が出るまで」が長い

融資の相談と並んで多いのが「使える補助金はないか」というご相談です。実務家の立場から申し上げると、補助金で見落とされがちなのは、採択されてから実際に入金されるまでの“時間とお金”です。

補助金は原則として、(1)補助率は全額ではない(自己負担が必ず残る)、(2)発注・契約・支払いは交付決定の後が原則(先に発注すると対象外になり得る)、(3)後払い(精算払い)でいったん全額を立て替える、という3つの特徴があります。つまり、採択されても「設備を買う現金」「入金までのつなぎ資金」は自分で用意する必要があるのです。

だからこそ、補助金は融資とセットで資金繰りを設計するのが王道です。資金調達の全体像(補助金・融資・出資の違いと進め方)を整理したい方は、資金調達の完全ガイドもあわせてご覧ください。なお、各補助金の補助率・補助上限・対象経費は公募回ごとに細かく定められており、たとえば省力化投資補助金〈一般型〉については別記事「中小企業省力化投資補助金〈一般型〉第7回」で詳しく解説しています。

5. 実務で押さえるべきこと

補助金を取りにいくときに、結果を分けるポイントを失敗例と王道で整理します。

❌ つまずきがちな失敗
  • 公募スケジュールを把握しておらず、締切直前に気づいて準備が間に合わない
  • 交付決定の前に設備を発注・契約してしまい、補助の対象外になる
  • 補助率を「全額もらえる」と誤解し、自己負担分・つなぎ資金を用意していない
  • 数値の根拠が薄い事業計画で申請し、加点・採択につながらない
⭕ これから取るべき王道
  • まず自社の投資計画に合う補助金と、次に申請できる公募回をスケジュールから逆算する
  • 発注・契約は必ず交付決定の後に行う(公募要領で対象経費・時期を確認)
  • 補助率・上限を踏まえ、自己負担分と入金までのつなぎ資金を融資で手当てする
  • 付加価値額・賃上げ・数値目標など加点項目を満たす事業計画を、根拠ある数字で作る
💬 実務の現場から
守秘義務がありますので詳細は控えますが、構図としてお伝えすると、「補助金が採択されたのに、入金までの資金繰りで苦しくなった」というお声は実際に少なくありません。過去のご相談の傾向として申し上げると、補助金で結果を分けるのは、補助金そのものよりスケジュールの逆算と、補助金・融資を組み合わせた資金の段取りです。私たちが関与する場面でも、まず使える補助金と公募回を確認し、自己負担・つなぎ資金を融資で手当てしたうえで、発注の順番(交付決定の後)を守って進めることを最優先にしています。

6. まとめ

2026年度(令和8年度)は、IT導入補助金が「デジタル化・AI導入補助金」に名称変更され、新事業進出補助金(第4回・6月19日締切)、ものづくり補助金、省力化投資補助金〈一般型〉第7回、事業承継・M&A補助金第15次など、主要な補助金がそれぞれ新しい公募回に入っています。

補助金は採択がゴールではなく、補助率は全額ではないこと、発注は交付決定の後が原則であること、後払い(精算払い)でいったん立て替えが必要なことを押さえ、融資とセットで資金繰りを設計することが大切です。税理士法人 小山・ミカタパートナーズは、認定経営革新等支援機関として、補助金の活用可否の見立てから、数値で語れる事業計画づくり、グループの融資支援サービスユウシサポと一体での資金手当てまで伴走します。設備投資・デジタル化をお考えの方は、発注を決める前にお早めにご相談ください。

よくある質問(FAQ)

IT導入補助金はなくなったのですか?

なくなったわけではなく、令和8年度から「デジタル化・AI導入補助金」に名称変更されました。ITツールの導入・デジタル化を支援する趣旨は引き継がれ、AIの導入・活用を後押しする方向も加わっています。検索や公募要領の確認は新名称「デジタル化・AI導入補助金」で行ってください。

2026年6月以降に申請できる補助金はどれですか?

2026年6月後半〜8月にかけては、デジタル化・AI導入補助金(第3次・締切7月21日/第4次・締切8月25日)、中小企業省力化投資補助金〈一般型〉第7回(申請受付7月上旬〜・締切7月下旬)、事業承継・M&A補助金第15次(締切7月24日)などが申請可能です。新事業進出補助金第4回は6月19日が締切です。締切は変更される場合があるため、各公式サイトで最新の公募要領をご確認ください。

補助金はいつお金が入ってきますか?

多くの補助金は「後払い(精算払い)」です。交付決定の後に発注・契約・支払いを行い、実績報告・確定検査を経てから補助金が入金されます。そのため、いったん全額を立て替える資金と、自己負担分を用意しておく必要があります。入金までのつなぎ資金を融資で手当てするケースが一般的です。

補助金は費用の全額がもらえますか?

いいえ。補助金には補助率(たとえば2分の1、3分の2など)と補助上限が定められており、全額が補助されるわけではありません。補助率・上限は補助金・公募回・事業規模によって異なるため、各補助金の公募要領で確認してください。

申請前に設備を発注してもよいですか?

原則として、発注・契約・支払いは交付決定の後に行う必要があります。交付決定の前に発注した経費は補助の対象外となることが多いため、先に発注しないよう注意が必要です。対象経費の範囲・時期は公募要領で必ず確認してください。

出典・参考資料

  • 中小機構「補助金活用ナビ|小規模事業者・中小企業向け補助金スケジュール」| https://seisansei.smrj.go.jp/subsidy_guide/subsidy_info/r7_schedule.html
  • 中小企業基盤整備機構「中小企業新事業進出補助金」| https://shinjigyou-shinshutsu.smrj.go.jp/
  • 補助率・補助上限・対象経費・加点項目などの詳細は、各補助金の公募要領によります。公募回・締切は変更される場合があるため、申請前に必ず各公式サイトの最新情報をご確認ください。
ご利用上の留意事項
本記事は、中小機構・中小企業基盤整備機構の公表資料に基づく一般的な情報提供であり、特定の補助金の採択・交付を保証するものではありません。補助金の要件・補助率・スケジュールは公募回により異なり、変更される場合があります。実際のお申し込みにあたっては、最新の公募要領をご確認のうえ、必要に応じて専門家にご相談ください。
発行:税理士法人 小山・ミカタパートナーズ / 文責:代表 小山晃弘(公認会計士・税理士・米国公認会計士)
出典確認日:2026年6月19日

補助金・資金調達のご相談は KMP/ユウシサポへ

認定経営革新等支援機関として、補助金の活用可否の見立てから、数値で語れる事業計画づくり、グループのユウシサポと一体での融資・つなぎ資金の手当てまで一体でご支援します。設備投資・デジタル化をお考えの方は、発注を決める前にお早めにご相談ください。

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小山晃弘 公認会計士・税理士・米国公認会計士
小山 晃弘(こやま あきひろ)
税理士法人 小山・ミカタパートナーズ 代表
公認会計士・税理士・米国公認会計士(ワシントン州)のトリプルホルダー。デロイト トーマツ(監査)出身。認定経営革新等支援機関として、中小企業の補助金・融資・資金繰りから税務顧問まで伴走。著書7冊・累計6万部、YouTube登録者11万人超。 🔗 kmp.or.jp / お問い合わせ:info@kmp.or.jp