中間申告とは?法人税・消費税の中間納付の対象・計算・期限を税理士が解説【2026年版】

「税務署から中間申告の通知書が届いたが、これは何の税金か」「前期は黒字だったが今期の上半期は資金が苦しい。中間納付を抑える方法はないか」——事業年度や課税期間の途中で届く中間申告の通知をめぐって、税理士法人 小山・ミカタパートナーズには、こうしたご相談が毎年この時期に数多く寄せられます。中間申告は、確定申告のときに一度に払う税金の負担を分散させる前払いの仕組みで、法人税と消費税にそれぞれ用意されています。 前期に一定額以上の税金を納めた会社は、事業年度・課税期間の途中で自動的に中間申告の対象になります。仕組みを知らずに通知書を放置すると、期限後に一括で払うことになり資金繰りを直撃します。逆に、上半期の業績が前期より大きく落ち込んでいるなら、仮決算という方法で中間納付を抑えられる場合もあります。本記事では、法人税と消費税の中間申告について、対象・計算方法・期限・2つの計算方法の使い分けまでを、国税庁の一次情報にもとづいて網羅的に解説します。
📋 この記事の目次
  1. 1. 中間申告とは何か(3行サマリー)
  2. 2. 法人税の中間申告(対象・期限)
  3. 3. 法人税の2つの計算方法(予定申告と仮決算)
  4. 4. 消費税の中間申告(対象・回数・計算)
  5. 5. 消費税も予定申告と仮決算が選べる
  6. 6. 中間申告でやりがちな失敗と王道
  7. 8. まとめ
  8. よくある質問(FAQ)

1. 中間申告とは何か(3行サマリー)

  • 中間申告=税金の前払い——事業年度(法人税)や課税期間(消費税)の途中で、その期の税金の一部を先に申告・納付する制度です。前払いなので、期末の確定申告で1年分の税額を計算し直し、中間で納めた分を差し引いて精算します(納めすぎていれば還付されます)。
  • 対象になるのは「前期に一定額以上納めた会社」——法人税・消費税とも、前期(直前の期)に納めた税額が基準を超えると、当期の中間申告の対象になります。設立初年度や前期の税額が小さい会社は対象外です。
  • 2つの計算方法がある——「前年度の実績をもとに機械的に計算する方法(予定申告)」と、「上半期を仮の決算として実際に計算する方法(仮決算)」のどちらかを選べます。業績が落ちている期は仮決算で負担を抑えられることがあります。
💡 中間申告は「余分に払う税金」ではありません。あくまで1年分の税金を前倒しで一部納めているだけで、確定申告で必ず精算されます。中間で納めすぎれば還付され、足りなければ差額を期末に納めます。資金繰りの山を平らにする制度と考えると分かりやすくなります。

2. 法人税の中間申告(対象・期限)

事業年度が6か月を超える普通法人は、原則として事業年度開始の日以後6か月を経過した日から2か月以内に、中間申告書を提出し中間分の法人税を納めます(法人税法第71条)。3月決算の会社であれば、上半期は9月30日で終わり、中間申告・納付の期限は11月30日になります。

対象になるかどうかは、前期の法人税額をもとに計算した予定税額が10万円を超えるかで決まります。

前期実績による予定税額中間申告
10万円超(前期の確定法人税額がおおむね20万円超)必要
10万円以下、または前期が赤字で税額なし不要

したがって、設立して1期目(前期がない)、前期が赤字だった、前期の法人税額が20万円以下だった、といった会社は法人税の中間申告は不要です。なお、法人税だけでなく地方法人税・法人住民税・法人事業税も同様に中間申告の対象となり、都道府県・市町村へもあわせて中間分を納めます。

💡 中間申告書を期限までに出さなくても、無申告になるわけではありません。提出がない場合は、その提出期限に「前年度実績による予定申告(次章)」があったものとみなされます(みなし申告)。ただし申告があったとみなされるだけで、納付は必要です。納めなければ延滞税の対象になるため、「通知書が来たら納付は必ず行う」と覚えてください。

3. 法人税の2つの計算方法(予定申告と仮決算)

法人税の中間申告には、計算方法が2つあり、会社がどちらかを選べます。

① 予定申告(前年度実績による方法) 前期に納めた法人税額をもとに、機械的に半年分を計算する方法です。計算式は次のとおりです(国税庁 質疑応答事例「法人税の中間(予定)税額の算出方法について」)。

予定申告の中間納付額 = 前事業年度の確定法人税額 ÷ 前事業年度の月数 × 6
(計算した金額に100円未満の端数があるときは切り捨てます)

前期が12か月なら、実質「前期の法人税額の半分」を納めるイメージです。多くの会社はこの予定申告を選び、税務署から届く納付書に記載された金額をそのまま納めています。手間がかからないのが利点です。

② 仮決算による方法 上半期(事業年度開始から6か月)を一つの事業年度とみなして仮の決算を行い、その半年間の実際の所得から中間分の法人税を計算する方法です。上半期の業績が前期より大きく落ち込んでいる場合、予定申告より中間納付額を抑えられます。

ただし仮決算には注意点があります。半年分の貸借対照表・損益計算書などを作成して申告する手間がかかること、仮決算で計算した税額が予定申告額を上回る場合はわざわざ仮決算を選ぶ意味がないこと、そして仮決算の結果が赤字でも中間で還付は受けられない(中間納付額はゼロが下限)ことです。

💡 予定申告と仮決算、どちらを選ぶか
上半期も前期並みかそれ以上に利益が出ているなら、手間のかからない予定申告で問題ありません。一方、上半期の売上が急減した、大きな設備投資や退職金で赤字になった、といった期は仮決算で中間納付を圧縮できないかを検討します。資金繰りが厳しい期ほど、仮決算の効果が大きくなります。

4. 消費税の中間申告(対象・回数・計算)

消費税にも中間申告があります。対象になるかどうかと年間の回数は、直前の課税期間の確定消費税額(国税分。地方消費税は含めない)で決まります(国税庁タックスアンサーNo.6609)。

前課税期間の確定消費税額(国税分)中間申告の回数各回の中間納付額(前年実績による場合)
48万円以下原則なし(任意の中間申告制度あり)
48万円超 〜 400万円以下年1回前課税期間の確定消費税額の 6/12
400万円超 〜 4,800万円以下年3回前課税期間の確定消費税額の 各3/12
4,800万円超年11回前課税期間の確定消費税額の 各1/12

上の表の金額はいずれも消費税の国税部分で判定します。実際に納めるときは、この国税分に加えて地方消費税(国税額の78分の22)をあわせて納付します。提出・納付の期限は、原則として各中間申告の対象期間の末日の翌日から2か月以内です(年11回の場合の一部の期限には特例があります)。

なお、直前の課税期間の確定消費税額が48万円以下の事業者は中間申告の義務はありませんが、届出を出せば任意で年1回の中間申告ができます(国税庁タックスアンサーNo.6611)。年1回でも前払いしておくことで、期末の納税資金の負担を平準化できます。

💡 消費税の中間納付額は「預かっている消費税の前払い」です。売上とともにお客様から預かった消費税は本来会社のお金ではなく、いずれ納める性質のものです。中間納付を「余分な出費」と感じて資金を使い込んでしまうと、期末の確定申告で資金が足りなくなります。消費税は別口座で管理するのが資金繰りの王道です。

5. 消費税も予定申告と仮決算が選べる

消費税の中間申告も、法人税と同じく2つの方法から選べます。

  • 予定申告(前年度実績による方法)——前課税期間の確定消費税額をもとに、上の表の割合で機械的に計算する方法です。税務署から送られてくる中間申告書・納付書の金額をそのまま納めます。
  • 仮決算による方法——中間申告の対象期間について仮決算を行い、その期間の実際の課税売上・課税仕入れから消費税額を計算する方法です。売上が減った、あるいは大きな設備投資で課税仕入れが増えた期は、予定申告より納付額を抑えられることがあります。ただし法人税と同様、仮決算で計算した税額がマイナスでも中間で還付は受けられません(国税庁No.6609)。

消費税でも、中間申告書を期限までに提出しなかった場合は予定申告があったものとみなされ、前年実績による中間納付が必要になります。

6. 中間申告でやりがちな失敗と王道

❌ 中間申告でやってしまいがちな失敗
  • 中間申告の通知書・納付書を「見覚えのない税金」と誤解して放置し、期限後納付で延滞税を招く
  • 中間納付を「余分な税金」と考え、預かった消費税を運転資金に使い込んで期末の納税資金が不足する
  • 上半期の業績が前期より大きく落ちているのに、仮決算を検討せず予定申告のまま資金を先に払ってしまう
  • 中間で納めた税額を確定申告で差し引き忘れ、二重に納付してしまう
  • 中間納付額を資金繰り表に織り込んでおらず、納期に現金が用意できない
⭕ 中間申告を乗りこなす王道
  • 前期の決算時点で、翌期の中間納付の時期と概算額を資金繰り表に先に入れておく
  • 消費税は預かった時点で別口座に取り分け、中間・確定の納税に充てる
  • 上半期に業績が急変した期は、予定申告と仮決算の有利判定を必ず行う
  • 中間納付額は確定申告で必ず精算されることを理解し、納めすぎは還付で戻ると押さえる
  • 設立2期目・課税事業者になった翌期は初めて中間対象になりやすいため、事前に見込みを立てておく

よくある質問(FAQ)

中間申告の通知書が届きました。必ず払わないといけませんか?

前期の実績にもとづいて中間申告の対象になった場合は、納付が必要です。中間申告書を提出しなくても、期限に「前年度実績による予定申告」があったものとみなされ(みなし申告)、中間分の税額は納めなければなりません。納付が遅れると延滞税がかかります。ただし、上半期の業績が前期より大きく落ちている場合は、仮決算による方法で納付額を抑えられることがあります。

中間納付した税金は返ってこないのですか?

返ってくることがあります。中間納付は「税金の前払い」で、期末の確定申告で1年分の税額を計算し、中間で納めた分を差し引いて精算します。中間で納めた額が年間の確定税額を上回っていれば、差額は還付されます。逆に足りなければ、期末に差額を納めます。

上半期が赤字です。中間納付を減らせますか?

法人税・消費税とも、仮決算による方法を選べば、上半期の実際の業績で中間税額を計算できます。赤字や大幅減益の期は、前年実績による予定申告よりも中間納付額を抑えられます。ただし半年分の決算書類を作る手間がかかり、仮決算の結果が赤字でも中間で還付は受けられない(納付額はゼロが下限)点に注意が必要です。

設立したばかりの会社にも中間申告はありますか?

設立1期目は「前事業年度」がないため、法人税・消費税とも原則として中間申告はありません。中間申告が初めて登場するのは、前期に一定額以上の税額を納めた2期目以降です。とくに課税事業者になった翌期は消費税の中間対象になりやすいので、事前に見込みを立てておくと資金繰りが安定します。

消費税の中間申告は年に何回ありますか?

前の課税期間の確定消費税額(国税分)で決まります。48万円超400万円以下なら年1回、400万円超4,800万円以下なら年3回、4,800万円超なら年11回です。48万円以下は原則として中間申告の義務はありませんが、届出により任意で年1回の中間申告ができます。

8. まとめ

中間申告は、法人税・消費税を期の途中で前払いし、期末の負担を平準化する制度です。要点は次のとおりです。

  • 法人税は、事業年度が6か月超で前期実績による予定税額が10万円超の会社が対象。期限は事業年度開始後6か月を経過した日から2か月以内(3月決算なら11月30日)。
  • 消費税は、前課税期間の確定消費税額(国税分)が48万円超で対象になり、金額に応じて年1回・年3回・年11回。
  • どちらも予定申告(前年実績)仮決算(上半期の実績)を選べる。業績が落ちた期は仮決算で中間納付を抑えられることがある。
  • 中間納付は前払いにすぎず、確定申告で必ず精算される。納めすぎは還付される。
  • 通知書が来たら放置せず、資金繰り表に納期と概算額を先に入れておくことが最大の対策。

「中間の通知が来たが、予定申告と仮決算のどちらが得か」「上半期が苦しく中間納付を抑えたい」「消費税の納税資金がいつも足りない」——税理士法人 小山・ミカタパートナーズでは、公認会計士・税理士・米国公認会計士のトリプルホルダーの視点で、中間申告の有利判定から、月次の業績把握にもとづく納税予測、消費税を含めた資金繰りの設計までを一体で伴走します。中間の通知が届いたら、期限を迎える前のお早めの段階でご相談ください。

出典・参考資料

ご利用上の留意事項
本記事は、法人税・消費税の中間申告に関する一般的な情報提供であり、個別の税務判断に代わるものではありません。中間申告の要否・回数・計算方法・期限は、法人か個人か、事業年度・課税期間の月数、前期の税額、業績の状況等の事実関係により異なり、制度の要件は改正により変わることがあります。実際の適用にあたっては、税理士等の専門家にご確認ください。
発行:税理士法人 小山・ミカタパートナーズ / 文責:代表 小山晃弘(公認会計士・税理士・米国公認会計士)
出典確認日:2026年7月15日

中間申告の有利判定・納税と資金繰りのご相談は KMP へ

公認会計士・税理士・米国公認会計士のトリプルホルダーの視点で、中間申告の予定申告と仮決算の有利判定から、月次の業績把握にもとづく納税予測、消費税を含めた資金繰りの設計までを一体で伴走します。中間の通知が届いたら、期限を迎える前のお早めの段階でご相談ください。

無料相談はこちら
小山晃弘 公認会計士・税理士・米国公認会計士
小山 晃弘(こやま あきひろ)
税理士法人 小山・ミカタパートナーズ 代表
公認会計士・税理士・米国公認会計士(ワシントン州)のトリプルホルダー。デロイト トーマツ(監査)出身。「日本一、経営者の視点に立てる税理士法人」を掲げ、税務顧問・改正対応から資産防衛・相続・事業承継まで伴走。著書7冊・累計6万部、YouTube登録者11万人超。 🔗 kmp.or.jp / お問い合わせ:info@kmp.or.jp

この記事は執筆時点の法令・通達に基づいています。最終確認日:2026年8月2日(現行制度との照合を実施)。税制は改正されます。実際のご判断の前に、最新の情報をご確認いただくか、税理士法人 小山・ミカタパートナーズまでご相談ください。