貸倒損失と貸倒引当金の決定版|3つの貸倒れ・法定繰入率・消費税の調整までを税理士が解説【2026年版】
- 1. 3行サマリー
- 2. 貸倒損失の3類型——まず自分がどれに乗るかを決める
- 3. 「全額回収不能」はどう判断されるのか——最高裁の枠組み
- 4. 貸倒引当金——落とす前に備えるための制度
- 5. 忘れられがちな消費税——落とすだけでは半分
- 6. 実務で押さえるべきこと
- 7. 失敗vs王道
- 8. まとめ
- よくある質問(FAQ)
1. 3行サマリー
- 貸倒損失には3つの類型があります。①法律上の貸倒れ(法人税基本通達9−6−1/切り捨てられた金額を、その事実が生じた事業年度に損金算入)、②事実上の貸倒れ(同9−6−2/全額回収不能が明らかになった事業年度に損金経理)、③形式上の貸倒れ(同9−6−3/取引停止後1年以上等、備忘価額を残して損金経理)。①は損金経理が不要、②③は損金経理が必要という違いがあります。
- ②の「全額が回収できないことが明らか」の判断について、最高裁は債務者側の事情だけでなく、債権回収に要する労力、債権額と取立費用との比較衡量、他の債権者との関係、経営的損失といった債権者側の事情、経済的環境等も踏まえ、社会通念に従って総合的に判断すべきとしています(最高裁 平成16年12月24日 第二小法廷判決 平成14年(行ヒ)第147号、いわゆる興銀事件)。
- 貸倒れが確定する前の備えが貸倒引当金です。適用できる法人は資本金1億円以下の中小法人等に限定されており(法人税法第52条)、中小法人等は実績繰入率に代えて法定繰入率(卸売業・小売業1,000分の10、製造業1,000分の8、金融業・保険業1,000分の3、割賦販売小売業等1,000分の7、その他の事業1,000分の6)を選べます。さらに、消費税は貸倒れが生じた課税期間に売上げの消費税額から控除します(消費税法第39条)。
2. 貸倒損失の3類型——まず自分がどれに乗るかを決める
(1) 法律上の貸倒れ(法人税基本通達9−6−1)
債権そのものが法的に消滅した場合です。原文は次のとおりです。
9−6−1 法人の有する金銭債権について次に掲げる事実が発生した場合には、その金銭債権の額のうち次に掲げる金額は、その事実の発生した日の属する事業年度において貸倒れとして損金の額に算入する。
(1) 更生計画認可の決定又は再生計画認可の決定があった場合において、これらの決定により切り捨てられることとなった部分の金額
(2) 特別清算に係る協定の認可の決定があった場合において、この決定により切り捨てられることとなった部分の金額
(3) 法令の規定による整理手続によらない関係者の協議決定で次に掲げるものにより切り捨てられることとなった部分の金額
イ 債権者集会の協議決定で合理的な基準により債務者の負債整理を定めているもの
ロ 行政機関又は金融機関その他の第三者のあっせんによる当事者間の協議により締結された契約でその内容がイに準ずるもの
(4) 債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、その金銭債権の弁済を受けることができないと認められる場合において、その債務者に対し書面により明らかにされた債務免除額
(法人税基本通達9−6−1)
ポイントは3つあります。
- 条文は「損金の額に算入する」と書いています。損金経理は要件ではありません。会計上落としていなくても、税務上は落ちます(申告調整の対象になります)。
- その事実が発生した日の属する事業年度です。前後の期にずらせません。
- (4) の債務免除だけは、自分の意思で作れる類型です。ただし「債務超過の状態が相当期間継続」していることと、書面で通知することが必要です。逆に、この2つを満たさずに債務免除をすると、寄附金(法人税法第37条)として損金不算入になります。
(2) 事実上の貸倒れ(法人税基本通達9−6−2)
法的には債権が残っているが、事実として全額取れない場合です。
9−6−2 法人の有する金銭債権につき、その債務者の資産状況、支払能力等からみてその全額が回収できないことが明らかになった場合には、その明らかになった事業年度において貸倒れとして損金経理をすることができる。この場合において、当該金銭債権について担保物があるときは、その担保物を処分した後でなければ貸倒れとして損金経理をすることはできないものとする。
(注) 保証債務は、現実にこれを履行した後でなければ貸倒れの対象にすることはできないことに留意する。
(法人税基本通達9−6−2)
この類型の縛りは厳しいものです。
- 「全額」が回収できないことが必要です。一部だけ落とすことはできません。
- 損金経理が必要です(9−6−1と違う点)。
- 担保物があるときは、処分した後でなければ落とせません。
- 保証債務は、現実に履行した後でなければ対象になりません。
(3) 形式上の貸倒れ(法人税基本通達9−6−3)
いわゆる「1年ルール」です。ただし範囲が限定されています。
9−6−3 債務者について次に掲げる事実が発生した場合には、その債務者に対して有する売掛債権(売掛金、未収請負金その他これらに準ずる債権をいい、貸付金その他これに準ずる債権を含まない。以下9−6−3において同じ。)について法人が当該売掛債権の額から備忘価額を控除した残額を貸倒れとして損金経理をしたときは、これを認める。
(1) 債務者との取引を停止した時(最後の弁済期又は最後の弁済の時が当該停止をした時以後である場合には、これらのうち最も遅い時)以後1年以上経過した場合(当該売掛債権について担保物のある場合を除く。)
(2) 法人が同一地域の債務者について有する当該売掛債権の総額がその取立てのために要する旅費その他の費用に満たない場合において、当該債務者に対し支払を督促したにもかかわらず弁済がないとき
(注) (1)の取引の停止は、継続的な取引を行っていた債務者につきその資産状況、支払能力等が悪化したためその後の取引を停止するに至った場合をいうのであるから、例えば不動産取引のようにたまたま取引を行った債務者に対して有する当該取引に係る売掛債権については、この取扱いの適用はない。
(法人税基本通達9−6−3)
実務で効く制約を並べます。
- 対象は売掛債権のみ。貸付金は対象外と明文で除かれています。
- 備忘価額を残す必要があります(通常1円)。全額は落とせません。
- 1年の起算点は「取引停止の時」「最後の弁済期」「最後の弁済の時」のうち最も遅い時です。
- 担保物があると使えません。
- (注) により、継続的な取引をしていた相手であることが前提です。単発取引の売掛金には使えません。
3. 「全額回収不能」はどう判断されるのか——最高裁の枠組み
9−6−2の「その全額が回収できないことが明らかになった」は、実務でもっとも争いになる要件です。判断の枠組みを示したのが、最高裁 平成16年12月24日 第二小法廷判決(平成14年(行ヒ)第147号、民集58巻9号2637頁)、いわゆる興銀事件です。
事案は、経営が破綻した住宅金融専門会社に対して銀行が有していた多額の貸付債権を放棄したことが、法人税法第22条第3項第3号にいう「当該事業年度の損失の額」として損金に算入されるか、というものでした。
最高裁は、金銭債権の貸倒損失を損金に算入するためには当該金銭債権の全額が回収不能であることを要するとしたうえで、その判断について、債務者の資産状況・支払能力等の債務者側の事情のみならず、債権回収に要する労力、債権額と取立費用との比較衡量、他の債権者との関係、経営的損失といった債権者側の事情、経済的環境等も踏まえ、社会通念に従って総合的に判断されるべきである、という枠組みを示しました。
実務的な含意は2つあります。
- 「全額」の縛りは判例でも維持されている。 一部回収不能という理由での貸倒損失は認められません。一部だけ落としたいなら、次章の貸倒引当金(個別評価)の枠組みに乗せることになります。
- 債権者側の事情も考慮要素になる。 「取り立てようとすれば取れるかもしれないが、費用と労力が債権額を上回る」といった事情を、判断の材料として主張できる余地があります。ただしこれは主張が通りやすくなったという意味ではなく、総合判断のなかの一要素にすぎません。
なお、国税庁の税務大学校論叢にも、住専処理問題を題材とした貸倒損失の認定基準に関する研究が公表されています。
4. 貸倒引当金——落とす前に備えるための制度
貸倒れが確定していなくても、将来の損失に備えて損金算入できるのが貸倒引当金です。根拠は法人税法第52条。ただし、使える法人が限定されている点に注意が必要です。
(1) 使える法人(適用法人)
国税庁は、次の法人に限られると説明しています(タックスアンサーNo.5501)。
- 普通法人(投資法人および特定目的会社を除く)のうち、各事業年度終了の時において資本金の額もしくは出資金の額が1億円以下であるもの、または資本もしくは出資を有しないもの。ただし、大法人(資本金5億円以上の法人、相互会社および外国相互会社、受託法人)による完全支配関係がある普通法人等、および大通算法人は除かれます。
- 公益法人等または協同組合等
- 人格のない社団等
- 銀行、保険会社その他これらに準ずる法人
- 金融に関する取引に係る金銭債権を有する一定の法人(対象となる金銭債権が限定されます)
資本金1億円超の普通法人は、原則として貸倒引当金を使えません。 また、資本金が1億円以下でも、大法人の100%子会社であれば対象外です。
(2) 個別評価と一括評価の2本立て
繰入限度額は、個別評価金銭債権と一括評価金銭債権に区分して計算します。
個別評価は、特定の相手先の債権について、法人税法施行令第96条第1項が定める4つの事実の区分に応じて計算します。
- 第1号……更生計画認可の決定、再生計画認可の決定、特別清算に係る協定の認可の決定等に基づき弁済が猶予され、または賦払により弁済されること。→ 当該金銭債権の額のうち、その事由が生じた日の属する事業年度終了の日の翌日から5年を経過する日までに弁済されることとなっている金額以外の金額(担保権の実行その他により取立て等の見込みがあると認められる部分を除く)。
- 第2号……債務超過の状態が相当期間継続し、かつ、その営む事業に好転の見通しがないこと、災害・経済事情の急変等により多大な損害が生じたことその他の事由により、債権の一部につき取立て等の見込みがないと認められること。→ その一部の金額に相当する金額。
- 第3号……更生手続開始の申立て、再生手続開始の申立て、破産手続開始の申立て、特別清算開始の申立て等が生じていること。→ 当該金銭債権の額(実質的に債権とみられない部分の金額、および担保権の実行・保証債務の履行等により取立て等の見込みがあると認められる部分を除く)の100分の50に相当する金額。
- 第4号……債務者である外国の政府、中央銀行または地方公共団体の長期にわたる債務の履行遅滞により、経済的価値が著しく減少し、弁済を受けることが著しく困難と認められること。→ 同様に100分の50に相当する金額。
ここが実務の要です。取引先が破産手続開始の申立てをした段階では、まだ貸倒損失(9−6−1)にはなりません(切り捨てられる金額が確定していないため)。しかし第3号により、債権額の50%を貸倒引当金として繰り入れることができます。「まだ落とせないから何もできない」ではありません。
一括評価は、それ以外の金銭債権をまとめて計算します。対象になるのは売掛金、貸付金、未収の譲渡代金・加工料・請負金・手数料・保管料・地代家賃等で益金に算入されたもの、立替金、益金算入済みの未収損害賠償金、保証債務を履行した場合の求償権などです。一方、保証金・敷金・預け金、手付金・前渡金、前払給料・概算払旅費・前渡交際費等の一時的な仮払金、預貯金およびその未収利子などは対象外です(タックスアンサーNo.5500)。
(3) 実績繰入率と法定繰入率
一括評価の繰入限度額は、原則として期末一括評価金銭債権の帳簿価額の合計額 × 貸倒実績率で計算します。貸倒実績率は過去3年間の貸倒損失発生額に基づいて算定し、小数点以下4位未満を切り上げます。
これに代えて、中小法人、公益法人等または協同組合等、人格のない社団等は、法定繰入率によることが認められています。法定繰入率は業種別に次のとおりです(タックスアンサーNo.5501)。
- 1,000分の10……卸売業および小売業(飲食店業および料理店業を含むものとし、割賦販売小売業を除きます)
- 1,000分の8……製造業(電気業、ガス業、熱供給業、水道業および修理業を含みます)
- 1,000分の7……割賦販売小売業ならびに包括信用購入あっせん業および個別信用購入あっせん業
- 1,000分の6……その他の事業
- 1,000分の3……金融業および保険業
なお、法定繰入率を使える「中小法人」からは、適用除外事業者(その事業年度開始の日前3年以内に終了した各事業年度の所得金額の年平均額が15億円を超える法人等)が除かれます。
5. 忘れられがちな消費税——落とすだけでは半分
法人税で貸倒損失を計上しても、消費税の処理をしていない会社が実務では少なくありません。売掛金には消費税が含まれています。回収できなかったのに、その消費税は納付済みです。
消費税法第39条は、この分を取り戻す仕組みを置いています。国税庁の説明では、売掛金その他の債権が貸倒れとなったときは、貸倒れとなった金額に対応する消費税額を、貸倒れの発生した課税期間の売上げに対する消費税額から控除します(タックスアンサーNo.6367)。
- 対象……消費税の課税対象となる取引の売掛金等に限られます。貸付金は対象外です(そもそも課税売上げに係る債権ではないため)。
- 計算……貸倒れの金額の合計額に110分の7.8(軽減税率対象は108分の6.24)を乗じ、1円未満の端数を切り捨てます。
- 要件……債権の切捨ての事実を証する書類その他貸倒れの事実を明らかにする書類の保存が必要です。
- 免税事業者は対象外です(国内で課税資産の譲渡等を行った事業者のうち免税事業者を除く、とされています)。
そして、貸倒れとして処理した後に回収できた場合は逆の処理が必要です。回収した貸倒債権に含まれる消費税額を、回収した課税期間の課税標準額に対する消費税額に加算します(タックスアンサーNo.6631)。一般用の申告書では第3欄「控除過大調整税額」、簡易課税用の申告書では第3欄「貸倒回収に係る消費税額」に記載します。
私たちが関与する場面でも、最初につまずきやすいのがここです。法人税の申告書では貸倒損失を計上しているのに、消費税の申告書の貸倒れに係る税額の欄が空欄のまま、というケースがあります。100万円(税込)の売掛金が貸倒れになれば、控除できる消費税は約7万円です。一般論として申し上げると、貸倒れの処理は「法人税」「消費税」「証拠書類」の3点セットで完結させるのが安全です。
6. 実務で押さえるべきこと
- どの類型に乗せるかを最初に決める。 9−6−1(法律上)/9−6−2(事実上)/9−6−3(形式上)で、要件も証拠も損金経理の要否も違います。
- 9−6−1(4) の債務免除は、書面と債務超過の資料をセットで残す。 通知は到達の記録が残る方法で。債務超過が相当期間継続していることを示す決算書等を保存します。
- 9−6−2は「全額」「担保処分後」「損金経理」の3つを外さない。
- 9−6−3は売掛債権限定・備忘価額を残す・継続取引が前提。 貸付金には使えません。
- 落とせない段階でも、貸倒引当金の個別評価(施行令96条1項第3号の50%)が使えることがある。 破産手続開始の申立て等の段階で検討します。
- 一括評価は実績繰入率と法定繰入率を毎期比較する。
- 消費税法第39条の控除を忘れない。 そして回収したら加算する(消費税法第39条、タックスアンサーNo.6367・No.6631)。
- 書類を残す。 督促の記録、内容証明の控え、相手先の登記事項証明書、決算書、裁判所の書面。貸倒れは「事実」で判断されるため、証拠がすべてです。
7. 失敗vs王道
- 「回収できそうにない」という判断だけで、証拠を残さずに貸倒損失を計上する。
- 貸付金に9−6−3の「取引停止後1年」を当てはめる(通達が明文で貸付金を除外)。
- 9−6−3で備忘価額を残さず全額を落とす。
- 担保を取っているのに、処分せずに9−6−2で全額を落とす。
- 債務超過が続いている事実を確認しないまま債務免除をして、寄附金として否認される(法人税法第37条)。
- 保証債務を、現実に履行する前に貸倒れとして処理する(9−6−2の(注))。
- 法人税では貸倒損失を計上したのに、消費税の貸倒れに係る税額の控除をしていない。
- 貸倒れ処理後に回収したのに、消費税の控除過大調整税額の加算を忘れる。
- 資本金1億円以下でも大法人の100%子会社であることを見落として貸倒引当金を繰り入れる。
- 一括評価で、保証金・敷金・前渡金など対象外の債権を計算に含める。
- 相手先ごとに状況をランク分けする。①法的整理が動いている/②債務超過が続いている/③連絡が取れず1年以上経過/④単に遅れている。ランクごとに使える通達が決まります。
- 法的整理が動いたら、まず個別評価の貸倒引当金(50%)を検討する。切捨てが決まった時点で9−6−1に切り替えます。
- 債務免除で処理するなら、事前に決算書を入手して債務超過の継続を確認し、内容証明郵便で通知して控えを保存する。
- 9−6−3を使うなら、取引停止・最終弁済期・最終入金日の3つの日付を台帳に記録しておく。起算点は最も遅い日です。
- 決算のたびに実績繰入率と法定繰入率を両方計算し、有利なほうを選ぶ。
- 貸倒れを計上したら、同じ月に消費税の処理も済ませる。証拠書類はまとめて1つのファイルに綴じる。
- 売掛金を貸付金に振り替える前に、税務上の取扱いの変化を確認する。
8. まとめ
貸倒れは、「落とせるかどうか」ではなく「どの通達に乗せるか」で考える論点です。3つの類型は、要件も、必要な証拠も、損金経理の要否も違います。順番としては、①法的な事実が発生していないか(9−6−1)、②全額回収不能と言い切れるか(9−6−2)、③売掛債権で1年ルールに乗るか(9−6−3)——この順に検討するのが実務の型です。
そして、まだどれにも乗らない段階では、貸倒引当金という受け皿があります。特に法人税法施行令第96条第1項第3号の50%繰入れは、破産手続開始の申立て等が出た段階で使えるため、「切捨てが決まるまで何もできない」という状態を避けられます。
最後に消費税です。貸倒れの処理は、法人税・消費税・証拠書類の3点が揃ってはじめて完結します。
税理士法人 小山・ミカタパートナーズでは、債権管理から貸倒れの税務処理、そして与信管理の設計までを一体でご支援しています。「落とす直前」ではなく「取引を始める前」から手を打つほうが、最終的な回収率は上がります。
よくある質問(FAQ)
取引先と1年以上連絡が取れません。売掛金を全額落とせますか。
貸付金にも「1年ルール」は使えますか。
一部だけ回収できそうです。回収できない部分だけ貸倒損失にできますか。
取引先が破産手続開始の申立てをしました。今期に何かできますか。
債務免除をすれば確実に落とせますか。
資本金3億円の会社ですが、貸倒引当金は使えますか。
法定繰入率と実績繰入率は、どちらを使うべきですか。
貸倒れになった売掛金の消費税は戻ってきますか。
貸倒処理した後に入金がありました。どうすればよいですか。
貸倒引当金の一括評価に、敷金や前渡金は含めてよいですか。
出典・参考資料
- 国税庁 法人税基本通達 第9章第6節第1款「金銭債権の貸倒れ」(9−6−1、9−6−2、9−6−3)(3類型の原文、担保物の処分、保証債務の(注)、貸付金の除外、備忘価額)
- 国税庁タックスアンサーNo.5320「貸倒損失として処理できる場合」(令和7年4月1日現在法令等。根拠法令等=法法22条、法基通9-6-1〜3)
- 国税庁タックスアンサーNo.5500「一括評価金銭債権に係る貸倒引当金の対象となる金銭債権の範囲」(対象となる債権9項目、対象とならない債権11項目)
- 国税庁タックスアンサーNo.5501「一括評価金銭債権に係る貸倒引当金の設定」(適用法人の範囲、貸倒実績率、法定繰入率5区分、適用除外事業者の15億円基準)
- 国税庁タックスアンサーNo.6367「貸倒れに係る税額の調整」(110分の7.8、108分の6.24、書類の保存、免税事業者の除外)
- 国税庁タックスアンサーNo.6631「貸倒債権を回収したときの消費税額の計算」(控除過大調整税額、貸倒回収に係る消費税額)
- 法人税法(昭和40年法律第34号)第52条(貸倒引当金)|e-Gov法令検索
- 法人税法施行令(昭和40年政令第97号)第96条(貸倒引当金勘定への繰入限度額)|e-Gov法令検索(第1項第1号〜第4号。5年基準、一部の金額、100分の50)
- 法人税法第22条(各事業年度の所得の金額の計算)|e-Gov法令検索(第3項第3号の損失の額)
- 法人税法第37条(寄附金の損金不算入)|e-Gov法令検索
- 消費税法(昭和63年法律第108号)第39条(貸倒れに係る消費税額の控除等)|e-Gov法令検索
- 国税庁 税務大学校論叢「金銭債権の貸倒損失の認定基準について−住専処理問題を題材として−(要約)」
- 最高裁判所 平成16年12月24日 第二小法廷判決(平成14年(行ヒ)第147号、民集58巻9号2637頁。いわゆる興銀事件。全額回収不能の判断は債務者側の事情のみならず債権者側の事情、経済的環境等も踏まえ社会通念に従って総合的に判断すべきとされた)
本記事は、貸倒損失および貸倒引当金の取扱いに関する一般的な情報提供であり、個別の債権に関する税務判断に代わるものではありません。貸倒れに該当するかどうかは、債務者の資産状況・支払能力等の事実関係に即して個別に判断されるものであり、本記事に挙げた要件のいずれか一つで結論が決まるものではありません。法人税基本通達9−6−1(4)の「相当期間」に一律の年数基準はなく、事実関係により判断されます。貸倒引当金の適用可否および繰入限度額は、資本金の額、完全支配関係の有無、通算制度の適用の有無、適用除外事業者への該当の有無により変わります。消費税の貸倒れに係る税額の控除には、貸倒れの事実を明らかにする書類の保存が必要です。判例の引用は判示の枠組みを要約したものであり、個別事案への当てはめを保証するものではありません。個別の判断にあたっては、税理士等の専門家にご相談ください。
発行:税理士法人 小山・ミカタパートナーズ / 文責:代表 小山晃弘(公認会計士・税理士・米国公認会計士)
出典確認日:2026年8月10日
債権管理と貸倒れの税務処理は KMP へ
公認会計士・税理士・米国公認会計士のトリプルホルダーの視点で、相手先ごとの貸倒れの類型の判定、債務免除の進め方と証拠書類の整備、貸倒引当金の繰入限度額の試算、消費税の調整までを一体でご支援しています。落とす直前ではなく、取引を始める前から手を打つほうが回収率は上がります。与信管理の設計からご相談ください。
無料相談はこちらこの記事は執筆時点の法令・通達に基づいています。最終確認日:2026年8月2日(現行制度との照合を実施)。税制は改正されます。実際のご判断の前に、最新の情報をご確認いただくか、税理士法人 小山・ミカタパートナーズまでご相談ください。
