日本政策金融公庫の融資金利【2026年6月最新】|基準利率・特別利率と利息シミュレーションを税理士が解説

創業や設備投資のために、日本政策金融公庫からの融資を検討している経営者・個人事業主は多いと思います。気になるのは「結局、金利は何%で、利息はいくらかかるのか」という一点でしょう。 公庫の融資金利は、金融情勢に応じて毎月見直されます。2026年(令和8年)6月1日現在の最新の利率が公庫の公式サイトで公表されており、無担保の基準利率は年3.50〜5.20%です。ただし、創業期の方や一定の要件に当てはまる方は「特別利率」が適用され、金利はここからさらに下がります。本記事では、最新の金利一覧と、借入額別の利息総額シミュレーション、そして金利を下げるために実務で押さえるべきことを、税理士が整理します。
📋 この記事の目次
  1. 1. 何が起きているのか(3行サマリー)
  2. 2. 前提:公庫の金利は「基準利率」と「特別利率」の2階建て
  3. 3. 利息はいくら違う?借入額別シミュレーション
  4. 4. 専門家の視点:金利は「借りるとき」より「返すあいだ」に効く
  5. 5. 実務でどう備えるか(金利を下げ、通すための王道)
  6. 6. まとめ
  7. よくある質問(FAQ)

1. 何が起きているのか(3行サマリー)

  • 日本政策金融公庫【国民生活事業】の金利は毎月見直し令和8年6月1日現在、無担保の基準利率は年3.50〜5.20%(有担保はさらに低い)
  • 創業期・女性・若者・シニアなど一定の要件に当てはまると、特別利率A〜Eが適用され、無担保でも年2.10%台まで下がる場合がある
  • 金利は「借りるとき」ではなく返済中ずっと効いてくる固定費。同じ1,000万円・7年返済でも、金利が1.4%違うと利息総額は約53万円変わる

2. 前提:公庫の金利は「基準利率」と「特別利率」の2階建て

公庫の融資金利は、誰にでも適用される基準利率と、一定の要件を満たすと適用される特別利率の2階建てになっています。多くの創業融資・政策的な融資では、この特別利率が使えるかどうかで負担が大きく変わります。

以下は、令和8年6月1日現在の【国民生活事業】の利率です(年%)。

■ 無担保で借りる場合(原則、税務申告を2期終えている方の例)

利率の種類年利率主な適用イメージ
基準利率3.50〜5.20%特別利率の要件に当てはまらない場合の標準金利
特別利率A3.10〜4.80%一定の政策目的に沿う融資
特別利率B2.85〜4.55%同上(要件が重いほど低利)
特別利率C2.60〜4.30%同上
特別利率E2.10〜3.80%特に政策的支援度の高い融資

■ 担保を提供して借りる場合

利率の種類年利率
基準利率2.50〜4.80%
特別利率A2.10〜4.40%
特別利率B1.95〜4.15%
特別利率C1.90〜3.90%
特別利率E1.90〜3.40%

幅があるのは、返済期間が長いほど金利が高くなるのが基本だからです(同じ区分でも、短期なら下限に近く、長期なら上限に近くなります)。

💡 どの特別利率が使えるかは「商品」で決まる … 特別利率A〜Eは、申込者が自由に選べるものではありません。「新規開業・スタートアップ支援資金」「女性・若者/シニア起業家向けの融資」など、利用する融資制度(商品)と要件ごとに、適用される特別利率が決まっています。まずは「自分が使える制度はどれか」「その制度でどの利率が適用されるか」を確認することが出発点です。

3. 利息はいくら違う?借入額別シミュレーション

金利の差は、返済が進むほど「利息総額」としてはっきり表れます。1,000万円を元利均等返済で借りた場合の試算が次のとおりです(毎月返済額・総返済額・利息合計)。

金利返済期間毎月返済額総返済額利息合計
年2.10%(特別利率E)7年(84回)128,116円10,761,733円761,733円
年2.60%(特別利率C)7年(84回)130,338円10,948,388円948,388円
年3.50%(基準利率)7年(84回)134,399円11,289,475円1,289,475円
年3.50%(基準利率)10年(120回)98,886円11,866,304円1,866,304円
年5.20%(基準利率の上限)7年(84回)142,281円11,951,584円1,951,584円

同じ1,000万円・7年返済でも、金利が年3.50%か年2.10%かで、利息総額は約128.9万円と約76.2万円。その差は約53万円になります。金利を下げる工夫は、そのまま手元に残る現金の差につながります。

⚠️ 「毎月返済額が小さい=得」ではない … 返済期間を長くすると毎月返済額は下がりますが、上の表のとおり利息総額はむしろ増えます(年3.50%なら7年で約129万円、10年で約187万円)。資金繰りの余裕と利息負担はトレードオフです。「毎月いくらなら無理なく返せるか」と「総額でいくら払うか」の両面で判断することが大切です。

4. 専門家の視点:金利は「借りるとき」より「返すあいだ」に効く

融資の相談では、どうしても「いくら借りられるか」に関心が集まりがちです。しかし実務家の立場から申し上げると、金利は借りた瞬間より、その後の数年間の損益にじわじわ効いてくる固定費です。

特に創業期は、特別利率の対象になりやすい一方で、事業計画書の内容や自己資金の状況によって、借りられる金額も適用条件も変わります。「どの制度を、どの順番で、どう申し込むか」で結果が大きく変わるのが、公庫融資の実務です。

また、公庫の金利は毎月見直されるため、ネット上の古い記事の数字をそのまま信じないことも重要です。本記事の数値も令和8年6月1日現在のものであり、実際に申し込む際は、必ず公庫公式サイトの最新の金利情報と、自分が使う制度の利率を確認してください。

資金調達の全体像(融資のほか補助金・出資など)を俯瞰したい方は、資金調達の完全ガイドもあわせてご覧ください。

5. 実務でどう備えるか(金利を下げ、通すための王道)

❌ つまずきがちな失敗
  • 基準利率の存在しか知らず、自分が特別利率の対象であることに気づかないまま申し込む
  • 自己資金がほとんどない状態で、いきなり満額を申し込んで評価が下がる
  • 数字の根拠が薄い事業計画書を提出し、希望額・希望条件が通らない
  • 「毎月返済額が小さいほど良い」と考え、必要以上に返済期間を延ばして利息総額を膨らませる
⭕ これから取るべき王道
  • まず自分が使える制度(商品)と、そこで適用される特別利率を確認する
  • 自己資金を一定程度準備し、創業計画の本気度を数字で示す
  • 売上・原価・資金繰りの根拠を備えた事業計画書を用意する(金額・条件・通過率に直結)
  • 返済期間は「毎月の無理のなさ」と「利息総額」の両面で設計し、据置期間も活用する
  • 制度選び・計画づくりは自己流で抱え込まず、融資に強い専門家と一緒に組み立てる
💬 実務の現場から
守秘義務がありますので詳細は控えますが、構図としてお伝えすると、「基準利率で借りるものだと思っていた」「特別利率が使えると知らなかった」というお声は実際に少なくありません。過去のご相談の傾向として申し上げると、結果を分けるのは金利そのものより、どの制度を選び、どんな事業計画書で臨むかという事前準備です。私たちが関与する場面でも、まずは使える制度と適用利率を整理し、自己資金と事業計画の数字を固めてから申し込みに進むことを最優先にしています。同じ金額でも、準備の差が金利・通過率・将来の資金繰りに効いてきます。

6. まとめ

日本政策金融公庫【国民生活事業】の金利は毎月見直され、令和8年6月1日現在、無担保の基準利率は年3.50〜5.20%です。創業期や一定の要件に当てはまれば特別利率A〜Eが適用され、無担保でも年2.10%台まで下がる場合があります。金利は返済中ずっと効く固定費で、1,000万円・7年返済なら、金利1.4%の差が利息総額で約53万円の差になります。

大切なのは、①自分が使える制度と適用利率を知ること、②自己資金と事業計画書で条件を引き寄せること、そして③申込時点の最新金利を公庫公式で確認することです。税理士法人 小山・ミカタパートナーズは、グループの融資支援サービスユウシサポとともに、制度選びから事業計画書づくり、金融機関対応まで伴走します。これから創業融資・設備資金を考えている経営者の方は、お早めにご相談ください。

よくある質問(FAQ)

2026年6月時点の日本政策金融公庫の金利は何%ですか?

【国民生活事業】の場合、令和8年6月1日現在の無担保の基準利率は年3.50〜5.20%、有担保の基準利率は年2.50〜4.80%です。創業期や一定の要件に当てはまると特別利率A〜Eが適用され、無担保でも年2.10〜4.80%(区分・期間による)まで下がります。金利は毎月見直されるため、申込時は公庫公式の最新値をご確認ください。

基準利率と特別利率は何が違いますか?

基準利率は、特別利率の要件に当てはまらない場合に適用される標準的な金利です。特別利率A〜Eは、「新規開業・スタートアップ支援資金」など特定の融資制度や、女性・若者・シニアといった要件を満たす場合に適用される、基準利率より低い金利です。どの特別利率が使えるかは、利用する制度(商品)と要件で決まります。

金利の幅(3.50〜5.20%など)はどう決まりますか?

基本的に、返済期間が長くなるほど金利は高くなります。同じ区分でも、短期の借入なら下限に近く、長期なら上限に近い利率になります。担保の有無でも変わり、担保を提供する場合のほうが低くなります。

返済期間は長いほうが得ですか?

毎月の返済額は下がりますが、利息総額は増えます。たとえば1,000万円を年3.50%で借りた場合、7年返済なら利息は約129万円、10年返済なら約187万円です。資金繰りの余裕と利息負担のバランスで判断することが大切です。

金利を下げるにはどうすればよいですか?

まず自分が使える制度と、そこで適用される特別利率を確認します。そのうえで、自己資金を準備し、売上・原価・資金繰りの根拠を備えた事業計画書を用意することが、適用条件と通過率の両面で効いてきます。制度選びと計画づくりは、融資に強い専門家と組み立てるのが近道です。

出典・参考資料

  • 日本政策金融公庫「金利情報 小規模事業者/個人事業主の方【国民生活事業】」(令和8年6月1日現在)| https://www.jfc.go.jp/n/rate/index.html
  • 利息額(毎月返済額・総返済額・利息合計)は、元利均等返済を前提に当社で試算した概算値です。実際の返済額は、適用利率・返済方式・据置期間・端数処理等により異なります。
  • 適用される利率は、利用する融資制度・返済期間・担保・保証の有無等により異なります。最新かつ正確な情報は、必ず日本政策金融公庫の公式サイト・窓口でご確認ください。
ご利用上の留意事項
本記事は、日本政策金融公庫の公表資料に基づく一般的な情報提供であり、特定の融資・利率の適用や審査結果を保証するものではありません。金利は毎月見直され、適用条件は制度・要件により異なります。実際のお申し込み・ご返済にあたっては、最新の公表資料をご確認のうえ、必要に応じて専門家にご相談ください。
発行:税理士法人 小山・ミカタパートナーズ / 文責:代表 小山晃弘(公認会計士・税理士・米国公認会計士)
出典確認日:2026年6月18日

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小山晃弘 公認会計士・税理士・米国公認会計士
小山 晃弘(こやま あきひろ)
税理士法人 小山・ミカタパートナーズ 代表
公認会計士・税理士・米国公認会計士(ワシントン州)のトリプルホルダー。デロイト トーマツ(監査)出身。中小企業の税務顧問から富裕層・オーナー経営者の資産防衛・事業承継、国際税務まで伴走。著書7冊・累計6万部、YouTube登録者11万人超。 🔗 kmp.or.jp / お問い合わせ:info@kmp.or.jp