信用保証協会の決定版|保証限度額・保証料率9区分・責任共有制度・代位弁済を税理士が解説【2026年版】
- 1. 3行サマリー
- 2. 信用保証協会は何をする組織か
- 3. 信用補完制度——保証の後ろにもう一段ある
- 4. 保証の限度額は法律で決まっている
- 5. 責任共有制度——保証協会は100%保証しない
- 6. 信用保証料——9区分はCRDで決まる
- 7. セーフティネット保証と危機関連保証——別枠になる
- 8. 経営者保証を外す——事業者選択型経営者保証非提供制度
- 9. 代位弁済されたらどうなるか
- 10. 実務で押さえるべきこと
- 11. 失敗vs王道
- 12. まとめ
- よくある質問(FAQ)
1. 3行サマリー
- 信用保証協会は、信用保証協会法(昭和28年法律第196号)に基づいて設立された公的機関で、中小企業者等が金融機関に対して負担する債務を保証することを主たる業務としています(同法第1条、第20条第1項第1号)。全国信用保証協会連合会によれば、47都道府県と4市(横浜市・川崎市・名古屋市・岐阜市)の計51協会があります。
- 保証の背後には、株式会社日本政策金融公庫による再保険があります(中小企業信用保険法)。協会が金融機関に代位弁済すると、その一定割合が保険金として公庫から協会に支払われます。この二段構えを信用補完制度といいます。
- 代位弁済されても、借りた側の債務は消えません。 全国信用保証協会連合会も「信用保証料は保険料ではありません」と明記しており、代位弁済後は債権者が金融機関から信用保証協会に変わり、協会への返済が続きます(中小企業信用保険法第7条)。
2. 信用保証協会は何をする組織か
信用保証協会法第1条は、この法律の目的をこう定めています。
同法第20条第1項は、協会が行える業務を4つ列挙しています。中心は第1号の「中小企業者等が銀行その他の金融機関から資金の貸付け又は手形の割引を受けること等により金融機関に対して負担する債務の保証」です。加えて第2項では、保証先の中小企業者に対する経営の改善発達に係る助言その他の支援や、求償権を取得した場合の債権の譲受け・管理なども業務として定められています。
つまり信用保証協会は、単に保証書を発行するだけの機関ではなく、法律上、経営支援と債権管理の両方を担う組織として設計されています。
3. 信用補完制度——保証の後ろにもう一段ある
信用保証制度は、事業者・金融機関・信用保証協会の三者で完結しているように見えますが、実際にはもう一段あります。
全国信用保証協会連合会は、信用補完制度を「(1)信用保証協会が金融機関に対して、中小企業・小規模事業者の債務を保証する信用保証制度と、(2)これを国が出資する(株)日本政策金融公庫によって再保険する信用保険制度が連結した制度」と説明しています。
流れはこうです。
- 協会が保証を承諾し、金融機関が融資を実行する
- 一定の要件を備えた保証は、すべて中小企業信用保険法に基づく信用保険に付保される(包括保証保険制度)。協会は保険料を公庫に支払う
- 事業者が返済できなくなると、協会が金融機関に代位弁済する(これが保険事故)
- 公庫が協会に保険金を支払う
- 協会が事業者から回収した金額のうち、保険金受領割合に応じた額を回収納付金として公庫に納付する
保険料の上限は法律に書かれています。保険料の額は、保険金額に年3パーセント以内において政令で定める率を乗じて得た額です(中小企業信用保険法第4条)。
4. 保証の限度額は法律で決まっている
「保証枠が2億8,000万円」という言い方を耳にしたことがあるかもしれません。この数字の根拠は、中小企業信用保険法にあります。同法は保険の種類ごとに、中小企業者一人についての保険価額の合計額の上限を定めています。
- 普通保険……2億円。ただし中小企業等協同組合、協業組合、商工組合、商工組合連合会、商店街振興組合、商店街振興組合連合会、生活衛生同業組合、生活衛生同業小組合、生活衛生同業組合連合会または酒類業組合であるときは4億円(第3条第1項)
- 無担保保険……8,000万円(第3条の2第1項)
- 特別小口保険……2,000万円(第3条の3第1項)
- 流動資産担保保険……2億円(第3条の4第1項)
無担保保険は、その名のとおり保証について担保を提供させないものです。ここでいう担保からは、法人が貸借対照表・損益計算書その他の書類を金融機関に提出することなど経済産業省令で定める要件を備えている場合を除き、保証人の保証も除かれています(第3条の2第1項括弧書き)。
特別小口保険は小規模企業者が対象で、担保(保証人の保証を含む)を提供させないものです。ただし、すでに普通保険・無担保保険などの保険関係が成立している者は対象から外れます(第3条の3第1項括弧書き)。
小規模企業者の定義も法律にあります。常時使用する従業員の数が20人(商業またはサービス業を主たる事業とする事業者については5人)以下の会社および個人などです(第2条第3項第1号)。
5. 責任共有制度——保証協会は100%保証しない
かつて保証付融資は原則100%保証でした。金融機関はリスクを負わないため、審査や期中管理が甘くなるという指摘があり、平成19年10月に責任共有制度が導入されました。
全国信用保証協会連合会によれば、責任共有制度には2つの方式があり、そのいずれかを各金融機関が選択します。
- 部分保証方式……個別貸付金の80%(一部の保証を除く)を信用保証協会が保証する
- 負担金方式……保証時点では100%保証だが、代位弁済状況に応じて金融機関が協会に負担金を支払うことにより、部分保証と同等の負担を負う
なお、中小企業特定社債保証制度、流動資産担保融資保証制度等、一部の保証制度は、金融機関の選択方式にかかわらず部分保証となっています。
原則としてすべての保証が責任共有制度の対象ですが、例外的に除外される制度があります。全国信用保証協会連合会が挙げているのは次の13です。
- 経営安定関連保証(セーフティネット保証)1号〜4号、6号
- 災害関係保証
- 創業関連保証(再挑戦支援保証、スタートアップ創出促進保証制度を含む)
- 特別小口保険に係る保証
- 事業再生保証
- 小口零細企業保証
- 求償権消滅保証
- 中堅企業特別保証
- 東日本大震災復興緊急保証
- 事業再生計画実施関連保証(責任共有制度の対象除外となる既往借入金を同額以内で借り換える場合に限る)
- 危機関連保証
- 事業再生計画実施関連保証(経営改善・再生支援強化型)(一定の借換えの場合に限る)
- 伴走支援型特別保証制度(一定の場合に限る)
6. 信用保証料——9区分はCRDで決まる
全国信用保証協会連合会は、信用保証料について「中小企業・小規模事業者の方の信用保証委託に応ずる対価であり、中小企業信用保険の保険料や経費等、制度運営上必要な費用に充当するもの」と説明し、料率は経営状況に応じた9つの料率区分から適用されるとしています。
区分の決め方は、東京信用保証協会の説明が具体的です。同協会は、中小企業信用リスク情報データベース(CRD)により確定決算の内容を評価して料率区分を決定する、としています。CRDは平成13年3月に中小企業庁が中心となって創設されたデータベースで、一般社団法人CRD協会が運営し、約180の金融機関等が会員、約300万の中小企業データが蓄積されています。評価に関する一連の仕組みおよび個別企業の結果は、データベースの機密情報に該当するため開示されていません。
実際の料率を見てみます。以下は東京信用保証協会の一般保証・責任共有保証料率(2026年6月23日更新の料率表)です。料率区分1から9の順に、年率(%)で並べます。区分1が最も高く、区分9が最も低くなります。
- 500万円以下……1.27/1.16/1.03/0.90/0.77/0.66/0.53/0.40/0.30
- 500万円超1,000万円以下……1.55/1.43/1.27/1.10/0.94/0.82/0.65/0.49/0.35
- 1,000万円超・有担保……1.80/1.65/1.45/1.25/1.05/0.90/0.70/0.50/0.35
- 1,000万円超・無担保……1.90/1.75/1.55/1.35/1.15/1.00/0.80/0.60/0.45
(出典:東京信用保証協会「信用保証料率の体系」に掲載の信用保証料率表(2026年6月23日更新))
責任共有制度の対象外となる保証には、別の(高い)料率が適用されます。同じ東京信用保証協会の一般保証で、責任共有外の料率は次のとおりです(同じく料率区分1から9の順、年率%)。
- 500万円以下……1.47/1.33/1.20/1.07/0.90/0.73/0.60/0.47/0.33
- 500万円超1,000万円以下……1.79/1.63/1.47/1.30/1.10/0.90/0.73/0.57/0.40
- 1,000万円超・有担保……2.10/1.90/1.70/1.50/1.25/1.00/0.80/0.60/0.40
- 1,000万円超・無担保……2.20/2.00/1.80/1.60/1.35/1.10/0.90/0.70/0.50
(出典:同上)
同じ料率区分・同じ融資額でも、責任共有制度の対象外になると年0.03〜0.30ポイント高くなることが読み取れます(上記36通りの組合せを比較した差)。金融機関がリスクを負わない分、協会の負担が増えるためです。
政策的に一律の料率が定められている保証もあります。同じ料率表によれば、東京信用保証協会の創業関連保険に係る保証は年0.35%〜0.60%(融資額の区分により異なる)、特別小口保険・特例小口関連は年0.40%〜0.80%、事業承継特別保証・経営承継借換関連は区分に応じて年0.20%〜1.15%です。
割引もあります。全国信用保証協会連合会は「担保のご提供がある場合や会計参与設置会社である場合等には、割引を行っています」としています。東京信用保証協会は、利用額が1,000万円以下の場合は料率の上限を1.55%、500万円以下の場合は上限1.27%に設定していると説明しています。
「保証料が高い」というご相談をいただいたとき、私たちがまず確認するのは料率区分そのものではなく、決算書の作り方です。CRDは確定決算の内容を評価します。仮払金・役員貸付金が残っている、在庫や売掛金の実在性が説明できない、といった決算書は、それだけで評価を落とします。区分が1つ動けば、1,000万円超・無担保の区分で年0.15〜0.20ポイント違います。5年の融資なら金額として無視できません。保証料は「交渉するもの」ではなく「決算で決まるもの」だとお考えください。
なお、保証料率は協会ごとに定められており、上に挙げたのはあくまで東京信用保証協会の例です。自社の適用料率は、必ず地元の信用保証協会にご確認ください。
7. セーフティネット保証と危機関連保証——別枠になる
不況業種や取引先の倒産で資金繰りが厳しくなったとき、一般枠とは別枠で保証を受けられる制度があります。これが経営安定関連保証(セーフティネット保証)と危機関連保証です。
根拠は中小企業信用保険法第2条第5項です。同項は「特定中小企業者」を、次の各号のいずれかに該当することについてその住所地を管轄する市町村長または特別区長の認定を受けたものと定めており、この号数がそのまま「1号」「5号」といった呼び名になっています。
- 第1号……経済産業大臣が指定した事業者に対する売掛金債権等の回収が困難であるため経営の安定に支障を生じていること(いわゆる連鎖倒産防止)
- 第2号……取引の相手方たる事業者その他の事業者が、経済産業大臣が指定した事業活動の制限を実施していることにより、取引数量の減少等が生じているため経営の安定に支障を生じていること
- 第3号……災害その他の突発的に生じた事由(経済産業大臣が指定するもの)に起因して、指定された業種・地域で事業を行う中小企業者の相当部分の事業活動に著しい支障を生じていること
- 第4号……災害その他の突発的に生じた事由に起因して、経済産業大臣が指定する地域内に事業所を有する中小企業者の相当部分の事業活動に著しい支障を生じていること
- 第5号……主要な原材料等の供給の著しい減少、需要の著しい減少その他の事由により、経済産業大臣が指定する業種に属する事業を行う中小企業者の相当部分の事業活動に著しい支障を生じていること(いわゆる不況業種)
- 第6号……破綻金融機関等と金融取引を行っていたことにより、借入れの減少等が生じているため経営の安定に支障を生じていること
- 第7号……金融機関が支店の削減等による経営の相当程度の合理化に伴う金融取引の調整(経済産業大臣が指定したもの)を実施していることにより、借入れの減少等が生じているため経営の安定に支障を生じていること
- 第8号……金融機関が貸付債権を特定協定銀行または株式会社産業再生機構に譲渡したことにより借入れの減少等が生じており、かつ適切な事業計画を有すること等により事業の再生が可能と認められること
危機関連保証は別の枠組みです。同法第2条第6項は「特例中小企業者」を、内外の金融秩序の混乱その他の事象が突発的に生じたため我が国の中小企業に係る著しい信用の収縮が全国的に生じていると経済産業大臣が認める場合において、その影響により借入れの減少等が生じていることについて市町村長等の認定を受けたものと定めています。認定に基づく保証は、経済産業大臣が認める日から1年以内の期間における申請に基づくものに限られます(同法第15条。信用の収縮の状況を勘案して1年を限り延長されることがあります)。
これらが「別枠」になる根拠は、同法第12条(経営安定関連保証の特例)と第15条(危機関連保証の特例)です。両条は、普通保険・無担保保険・特別小口保険の限度額の規定を読み替え、経営安定関連保証(危機関連保証)に係る保険関係の保険価額の合計額と、その他の保険関係の保険価額の合計額とが、それぞれ限度額を超えられないものとしています。つまり一般枠と別に数えるということです。別枠の限度額そのものは政令で定められます(同法第18条)。
8. 経営者保証を外す——事業者選択型経営者保証非提供制度
保証協会付融資では、法人の代表者が連帯保証人になることが長く一般的でした。これを、保証料率の上乗せを条件に外せる制度が2024年3月15日から始まっています。事業者選択型経営者保証非提供制度といい、個別の保証制度ではなく、複数の保証制度に横断的に適用される仕組みです。
東京信用保証協会が公表している要件は、次の1〜5のいずれにも該当する法人であることです。
- 過去2年間において、決算書等を申込金融機関の求めに応じて提出していること
- 直近の決算において、代表者への貸付金等がなく、役員報酬等が社会通念上適切な範囲を超えていないこと
- 次の両方またはいずれかを満たすこと──(1) 直近の決算において債務超過でない(貸借対照表において「純資産の額≧0」)、(2) 直近2期連続で減価償却前経常利益が赤字でない(損益計算書において「経常利益+減価償却費≧0」)
- 保証申込日以降も決算書等を金融機関の求めに応じて提出すること、および保証申込日を含む事業年度以降の決算において代表者への貸付金等がなく役員報酬等が社会通念上適切な範囲を超えないことを、継続的に充足する旨の誓約書を提出していること
- 信用保証料の上乗せを条件として経営者保証を提供しないことを希望していること
上乗せ幅は次のとおりです。
- 要件3の(1)と(2)の両方を満たす場合……協会所定の保証料率に0.25%上乗せ
- 要件3の(1)または(2)のいずれか一方を満たす場合、または法人の設立後2事業年度の決算がない場合……協会所定の保証料率に0.45%上乗せ
対象となるのは、原則として無担保保険・公害防止保険・エネルギー対策保険・海外投資関係保険・新事業開拓保険・事業再生保険が付保された保証です。なお、法令の定めるところにより保証人を徴求しない保証は本制度の対象外です。
この制度で最初につまずくのは、要件2の代表者への貸付金です。役員貸付金が1円でも残っていれば、そこで止まります。「経営者保証を外したい」というご相談をいただいたとき、私たちがまず見るのは貸借対照表の資産側です。役員貸付金の解消には時間がかかりますので、決算を締める前からの設計が要ります。役員報酬の水準も同じで、「社会通念上適切な範囲」は決算1期分では動かせません。
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9. 代位弁済されたらどうなるか
ここが、経営者にもっとも誤解されている部分です。
代位弁済されても、借りた側の債務は消えません。 全国信用保証協会連合会は、信用保証料の説明のなかで「『信用保証料』は保険料ではありません。したがって信用保証協会による代位弁済が行われた後は、中小企業・小規模事業者の方から信用保証協会へ弁済していただきます」と明記しています。
法律上も同じです。中小企業信用保険法第7条は、信用保証協会は、保険関係が成立した保証に基づき中小企業者に代わって弁済をした場合には、その求償に努めなければならないと定めています。努力義務ではなく、制度を支える前提としての規定です。
公庫が協会に支払う保険金の割合(保険てん補率)は、同法第5条に書かれています。回収後残額に100分の70を乗じた額が原則で、無担保保険、特別小口保険、流動資産担保保険、公害防止保険、エネルギー対策保険、海外投資関係保険、新事業開拓保険、事業再生保険および特定社債保険にあっては100分の80です。全国信用保証協会連合会は、制度全体の説明として代位弁済額の「70〜90%」が保険金として支払われるとしています。
そして協会が回収した金額は、保険金の額の回収後残額に対する割合を乗じた額が回収納付金として公庫に納付されます(同法第8条)。
回収業務の一部は、保証協会債権回収株式会社(保証協会サービサー)に委託されています。全国の信用保証協会の共同出資により設立され、債権管理回収業に関する特別措置法(平成10年法律第126号)に基づく法務大臣の許可(法務大臣許可番号第47号)を得て、平成13年4月10日から営業を開始し、令和8年4月現在で全国に11営業所が設置されています。
10. 実務で押さえるべきこと
① 「枠」は保険の種類ごとに数える。 普通保険2億円、無担保保険8,000万円、特別小口保険2,000万円は別々の枠です。担保を提供できるかどうかで使える枠が変わります。
② セーフティネット・危機関連は一般枠と別枠。 ただし認定が必要で、認定は市町村長または特別区長が行います(中小企業信用保険法第2条第5項・第6項)。金融機関ではなく自治体の窓口である点に注意してください。
③ 保証料率は決算で決まる。 CRDが確定決算の内容を評価します。決算後に交渉して動くものではありません。逆に言えば、決算書の質を上げれば翌年の料率が下がる可能性があります。
④ プロパー融資との併用を前提に設計する。 全国信用保証協会連合会も、保証制度のメリットの第一に「お取引金融機関のプロパー融資と保証付融資の併用により、融資枠の拡大を図ることができます」を挙げています。保証枠を使い切ってからプロパーを頼むのではなく、両方を並行して育てるのが実務の王道です。
⑤ 経営者保証は「外せる条件を作る」もの。 事業者選択型経営者保証非提供制度の要件は、役員貸付金の解消、債務超過の解消、減価償却前経常利益の黒字化と、いずれも決算をまたいで準備するものばかりです。
11. 失敗vs王道
- 保証協会の枠が一杯だと言われ、それ以上確認せずに諦める(保険の種類ごとに枠が別であることを知らない)
- 「保証協会が付いているから、返せなくなっても会社は残る」と考えている(代位弁済後も債務は残り、連帯保証人にも請求が及ぶ)
- 保証料率を下げようと金融機関に交渉する(料率はCRDによる決算評価で決まり、交渉の余地は原則としてない)
- セーフティネット保証の認定が取れたので、料率を比べずにそのまま使う(経営状況が良ければ一般保証のほうが安い場合がある)
- 経営者保証を外したいと決算後に相談する(役員貸付金・債務超過は決算後には動かせない)
- 保証付融資だけで資金調達を組み立て、プロパー融資の実績を作らない
- 現在の保証残高を、普通保険・無担保保険・特別小口保険の種類ごとに把握する
- 一般枠とセーフティネット・危機関連の別枠を分けて管理し、いざというときに使える余力を残す
- 決算前に、役員貸付金・仮払金・棚卸資産の実在性を整理し、CRD評価に耐える決算書にする
- 経営者保証を外すなら、2期前から債務超過の解消と減価償却前経常利益の黒字化を計画に織り込む
- 保証付融資とプロパー融資を並行して育て、金融機関の与信そのものを厚くする
- 資金繰りが苦しくなる前に、認定要件(1号〜8号)に自社が当たるかを確認しておく
12. まとめ
信用保証協会は、中小企業が銀行から借りるための「入口」であると同時に、法律に基づく厳密な制度です。枠は保険の種類ごとに定められ、料率は決算の内容で決まり、代位弁済されても債務は消えません。
制度を正しく理解している経営者と、そうでない経営者とでは、同じ会社でも調達できる金額と支払うコストが変わります。税理士法人 小山・ミカタパートナーズでは、決算書の作り方から保証枠の設計、経営者保証の解除に向けた財務体質の改善まで、一体でご支援しています。
よくある質問(FAQ)
信用保証協会は全国にいくつありますか?
「保証枠2億8,000万円」とよく聞きますが、根拠は何ですか?
責任共有制度で協会の保証が80%になると、残り20%は自分が余分に返すのですか?
保証料は返ってくることがありますか?
セーフティネット保証を使うと、あとで融資が受けにくくなりますか?
代位弁済されたら、その後どうなりますか?
経営者保証を外すと、必ず保証料が上がりますか?
個人事業主でも信用保証協会を使えますか?
出典・参考資料
- 信用保証協会法(昭和28年法律第196号)第20条(業務)|e-Gov法令検索(協会が行える業務の範囲、経営支援・求償権管理)
- 中小企業信用保険法(昭和25年法律第264号)第2条(定義)|e-Gov法令検索(中小企業者・小規模企業者・特定中小企業者・特例中小企業者の定義、セーフティネット1号〜8号)
- 中小企業信用保険法第3条(普通保険)|e-Gov法令検索(保険価額の合計額2億円・組合等4億円)
- 中小企業信用保険法第3条の2(無担保保険)|e-Gov法令検索(8,000万円)
- 中小企業信用保険法第3条の3(特別小口保険・2,000万円)、第3条の4(流動資産担保保険・2億円)、第4条(保険料は保険金額に年3%以内で政令が定める率を乗じた額)、第5条(保険てん補率100分の70・無担保保険等は100分の80)、第7条(求償)、第8条(回収金の納付)、第12条(経営安定関連保証の特例)、第15条(危機関連保証の特例)、第18条(経営安定関連保証及び危機関連保証に係る限度額)
- 信用保証協会法第1条(目的)
- 全国信用保証協会連合会「もっと知りたい信用保証」(信用保証協会の設立根拠、47都道府県と4市、ご利用のメリット、代位弁済に伴う回収業務、保証協会サービサー)
- 全国信用保証協会連合会「信用保証制度を支えるしくみ」(責任共有制度の部分保証方式・負担金方式、対象外13制度、信用補完制度、信用保険制度、保険てん補率70〜90%)
- 全国信用保証協会連合会「信用保証料」(9つの料率区分、割引、事業者選択型経営者保証非提供制度の割増、「信用保証料は保険料ではありません」)
- 東京信用保証協会「信用保証料率の体系」(責任共有保証料率表・責任共有外保証料率表〔2026年6月23日更新〕、CRD、小口の上限料率、セーフティネット保証の一律料率)
- 東京信用保証協会「保証料の上乗せで経営者保証が不要となる制度について」(事業者選択型経営者保証非提供制度の要件、0.25%・0.45%の上乗せ、対象保険)
本記事は信用保証制度についての一般的な情報提供であり、個別の保証の可否・限度額・料率を保証するものではありません。信用保証料率および取扱制度は信用保証協会ごとに定められており、本記事に掲載した料率は東京信用保証協会が公表する2026年6月23日更新の料率表に基づく例示です。自社に適用される料率・保証限度額・利用可能な制度は、必ず事業所所在地を管轄する信用保証協会および取引金融機関にご確認ください。セーフティネット保証・危機関連保証の認定要件の該当性は、市町村長または特別区長の認定によります。事業者選択型経営者保証非提供制度の利用可否および利用可能額は個別の審査によります。個別の判断にあたっては、税理士等の専門家にご相談ください。
発行:税理士法人 小山・ミカタパートナーズ / 文責:代表 小山晃弘(公認会計士・税理士・米国公認会計士)
出典確認日:2026年8月5日
保証枠の設計と経営者保証の解除は KMP へ
公認会計士・税理士・米国公認会計士のトリプルホルダーの視点で、保証枠の棚卸し、CRD評価に耐える決算書づくり、プロパー融資との併用設計、経営者保証を外すための財務体質の改善まで一体でご支援しています。保証料率も経営者保証も、決算を締めてからでは動きません。期首のうちにご相談ください。
無料相談はこちらこの記事は執筆時点の法令・通達に基づいています。最終確認日:2026年8月2日(現行制度との照合を実施)。税制は改正されます。実際のご判断の前に、最新の情報をご確認いただくか、税理士法人 小山・ミカタパートナーズまでご相談ください。
